源義国

源義国の生涯と系譜

源義国（みなもと の よしくに）は、平安時代後期における河内源氏の武将で、源義家の三男にあたります。彼は新田氏と足利氏の祖として知られ、これらの家系の遠い子孫には有名な足利尊氏や新田義貞が含まれています。義国の生涯は多くの出来事に彩られており、彼の武将としての活動や彼にまつわるさまざまなエピソードは、平安時代を理解する上で欠かせないものとなっています。

経歴の概要

義国は、父である源義家から受け継いだ摂関家領上野国八幡荘を相続しました。長兄の義宗は早くに亡くなり、次兄の義親は西国で反乱を引き起こしたため、義国と三兄の義忠が「源氏の棟梁」として期待されることとなりました。しかし彼の乱暴な行動や当時の時代背景に合わない振る舞いが理由で、やがてその期待から外れていきました。

また、義国は叔父である源義光との抗争、いわゆる常陸合戦で敗北し、常陸国の支配権を佐竹氏に譲ることになりました。それでも、彼はただ従ったわけではなく、隣接する下野国で勢力を拡大していきました。彼の気性は荒く、晩年には勅勘を受けることもあり、「荒加賀入道」と称されました。

重要な出来事

嘉承元年（1106年）に義国は義光及び従兄弟の源義業と常陸で戦いました。この合戦の結果、彼は勅勘を受け、父の義家に捕縛命令が下されました。その後も彼の生涯には多くの出来事があり、資格を持つ官職を数回務める一方で、私的な領地開発や戦闘においても活動を続けました。

• - 永久2年（1114年）には長男の義重が誕生。
• - 保安5年（1124年）、源清光の元服の際には加冠を行っています。
• - 大治2年（1127年）には次男の義康が生まれました。
• - 康治元年（1142年）には、足利荘を鳥羽院御願寺に寄進し、足利荘を成立させました。
• - 康治2年（1143年）には開発した私領を伊勢神宮に寄進し、簗田御厨を設立しています。

このように、義国は自らの領地を拡大し、また将軍家の一員としての活動を行っていきましたが、久安5年（1149年）には義国の郎党が京洛で乱闘を起こした際に責任を問われ、久安6年（1150年）には右近衛大将と争い、実能の屋敷を焼き払い勅勘を受ける結果となりました。最終的には、久寿2年（1155年）に長男義重の上野国新田荘にて亡くなることになります。

官歴と生年

義国の官歴は多様で、さまざまな役職を歴任しました。具体的には、諸司助や兵部丞、式部丞を経て、従五位下、式部大夫、加賀介としても知られています。

彼の生年や没年については諸説あり、一般的には寛治5年（1091年）生まれ、仁平4年（1154年）に出家、久寿2年（1155年）6月26日に亡くなったとされています。しかし、この生年論は義国の兄弟関係との整合性が取れないため、他の学者による異説もいくつか存在します。

系譜

義国は自身の家系を通じて、後の新田氏や足利氏など、多くの子孫を残しました。彼の後裔には堀口氏、山名氏や里見氏、さらには今川氏、細川氏、畠山氏なども含まれており、義国が築いた基盤は後世にわたって大きな影響を及ぼすこととなります。義国の生涯は、平安時代武将の一人として刻まれ、後の日本史においても重要な役割を果たしているのです。

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