源義基 (木曾義基)

源義基について

源義基（みなもと の よしもと）は、平安時代後期に活躍した武士で、河内源氏の系譜を引く信濃源氏に所属していました。義基は、「朝日三郎義基」とも称され、彼に関する情報は主に『木曽考』や『木曽殿伝記』などの文献に記録されています。これらの文献によれば、義基は源義仲の三男であり、木曾氏の始祖とされています。しかし、この情報には根拠が乏しく、また著名な資料である『吾妻鏡』などの同時代史料には彼の名前が見られません。さらに、延慶本『平家物語』や『尊卑分脈』では、源義高という人物が「義基」と同一視されることがあり、義基が実在したのかどうかは議論となっています。

略歴

義基の略歴については、主に『木曽考』や『木曽殿伝記』などの書物に基づいており、元暦元年（1184年）には父である義仲が粟津の戦いで敗死した後の状況が伝えられています。義仲の死後、義基は安曇郡の豪族である仁科義重のもとに仕え、さらに曽山神明宮に庇護されることになりました。その後、彼は木曽谷の領主としての地位に就くとされています。

義仲の戦死を受けて、義基は家臣であった今井氏や高梨氏、楯氏などの支援を受け、逃げ延びたとされる過程も語られています。義基が落ち延びたとされる場所は、現在の群馬県渋川市北橘村の箱田であり、彼がこの地域に根を下ろした背景には、義仲が崇敬していた神社の存在があります。箱田神社は、信濃国の延喜式内社である筑摩郡の三座「岡田・沙田・阿礼神社」を勧請して創建されたと伝えられており、後の木曾三柱神社や木曾三社神社として名を残しています。

歴史的意義

源義基に関する歴史的評価やその位置づけは、文献や資料の不足から曖昧な面が多く見受けられます。義基が果たした役割に関する対立した解釈が存在するため、彼の存在自体に疑問を呈する歴史学者も少なくありません。義基についての探求は、平安時代の武士やその家系を理解する上でも重要な要素を含んでいます。

参考文献

• - 今井善兵衛『更生農村 : 北橘村の実情』日本評論社、1935年。
• - 今井善一郎『赤城の神』煥乎堂、1974年。
• - 今井善一郎『習俗歳時記』煥乎堂、1975年。
• - 群馬県史編さん委員会 編『群馬県史』群馬県、1989年。

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