源重時

源重時（みなもと の しげとき）

平安時代後期に活躍した源重時は、佐渡守を務めた源重宗の三男であり、北面武士として著名な武将でした。特に、白河・鳥羽両院における武士として、兄の源重実と共に「四天王」の一人と称され、その権威は高いものでした。

生涯の概要

源重時は、常に朝廷の重要な任務を受け持ち、その活動の幅は広範にわたりました。彼は右衛門尉を務めた後、嘉承2年（1107年）には検非違使の宣旨を受けることで、その名声はさらに高まりました。天仁2年（1109年）には、源義忠の暗殺事件に関連して源義綱の息子である義明や藤原季方を追補する命令が下され、これに従ったことでも知られています。これにより、彼は朝廷におけるその地位を一層強固なものとしました。

また、彼はその後も叙爵され、大夫尉としての役割を果たしました。天永4年・永久元年（1113年）には、興福寺による大規模な強訴に対抗するため、平正盛や忠盛父子と共に防衛の責任を担うなど、その武力が必要とされる場面でも活躍しました。

永久2年（1114年）には、源為義の郎党である公政の引渡しを求める訴えを白河院に提出しました。これは、彼の政治的な活動が個人の武勇だけでなく、治安維持や権力闘争においても重要な役割を果たしていたことを示す一例です。重時はその後、信濃守、相模守、大和守とキャリアを進めましたが、保延元年（1135年）には大和守在任中に興福寺により、国司就任後の慣例として下向神拝を拒否されたことが記録されています。

康治元年（1142年）には急逝し、その位は従五位上であったことが伝えられています。このように、源重時の生涯は、戦国の足元を固める一方で、政治的にも重要な役割を果たす時代に生きた武将でした。

子孫の系譜

源重時の子孫たちもまた、その名を世に知らしめました。『尊卑分脈』では、彼の息子たちは全て養子という記録が残されていますが、一子の季遠は、長い間北面武士として知られ、武士の家系を築き上げました。特に、その系統からは治承・寿永の乱で平家側に立った源季貞や、その甥の則清、さらには鎌倉時代に歌人や『源氏物語』の研究者として名を馳せた源光行・親行父子が現れ、多くの業績を残しています。一方の重俊の子孫は小島氏を称し、後の歴史に名を刻んでいます。

系譜

源重時の系譜は以下のとおりです。

• - 父：源重宗
• - 母：若狭守源守忠の娘
• - 妻：不詳
• - 養子：

- 源実時 - 従五位下、諸陵助。「藤原忠頼」の子。
- 源季遠 - 武士の家系を築く。“養子實若狭国住人也”とされる。
- 源重俊 - 弟の重親の子、子孫は小島氏。
- 源光成 - 甥源重成の長子。
- 源重範 - 弟重親の子。

このように、源重時の生涯とその子孫は、平安時代の武士階級における重要性を物語るものであり、後の時代へと続く影響は大きかったといえます。

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