源隆綱 (醍醐源氏)

源隆綱（みなもと の たかつな）は、平安時代中期から後期にかけて活躍した公卿です。醍醐源氏高明流を汲み、父は権大納言を務めた源隆国です。

隆綱は、その生涯において様々な官職を歴任し、位階も着実に昇進しました。彼の官職歴は以下の通りです。

能登権守: 天喜2年（1054年）2月22日に能登権守に任じられます。この時、隆綱はまだ若く、地方官としての経験を積んだと考えられます。
侍従: 天喜3年（1055年）2月2日に侍従に任じられ、天皇の側近として仕えるようになります。
左近衛少将: 天喜5年（1057年）2月30日から康平2年（1059年）2月15日まで左近衛少将を務めます。この役職は、皇居の警護と天皇の身辺警護を担う重要なものでした。
備後介: 天喜6年（1058年）正月30日には備後介に任じられ、再び地方官としての職務を担当します。
右近衛少将: 康平2年（1059年）2月15日から康平6年（1063年）3月30日まで右近衛少将を務めます。左近衛少将と同様に、皇居の警護を担いました。
蔵人: 康平3年（1060年）正月11日には蔵人に任じられます。蔵人は天皇の側近として、機密文書や財物の管理に携わりました。
左近衛権中将: 康平6年（1063年）3月30日から治暦5年（1069年）2月26日まで左近衛権中将を務めます。近衛府の中枢を担う役職で、軍事面での重要な役割を果たしました。
修理権大夫: 治暦2年（1067年）12月13日から承保元年（1074年）9月26日まで修理権大夫を務めます。この役職は、宮廷の修理や造営に関する責任者でした。
蔵人頭: 治暦3年（1068年）12月14日には蔵人頭に任じられ、蔵人全体の長として、天皇の側近としての役割をさらに強化しました。
参議: 治暦4年（1068年）4月17日から承保元年（1074年）9月26日まで参議を務めます。参議は、国政を審議する重要な役職で、隆綱が政治の中枢に参画したことを示しています。
備後権守: 治暦5年（1069年）から延久3年（1072年）まで備後権守を務め、再び地方官として職務を遂行しました。
右近衛権中将: 治暦5年（1069年）2月26日から承保元年（1074年）9月26日まで、再び右近衛権中将を務めます。このことは、彼が軍事面で重要な役割を担っていたことを示唆します。
美濃権守: 延久6年（1074年）正月28日から承保元年（1074年）9月26日まで美濃権守を務めます。この時期は、官職の兼任も多く、隆綱も複数の役職を兼任していた可能性があります。


隆綱の位階歴は以下の通りです。

従五位下: 永承7年（1052年）正月5日に従五位下に叙せられます。これは、彼の官僚としてのキャリアの始まりを示すものです。
従五位上: 天喜6年（1058年）正月6日に従五位上に昇進しました。
正五位下: 康平2年（1059年）正月5日に正五位下に昇進しました。着実に位階を上げています。
従四位下: 康平4年（1061年）正月6日に従四位下に昇進。
従四位上: 康平8年（1065年）正月5日に従四位上に昇進し、さらに昇進を重ねます。
正四位下: 治暦元年（1065年）10月11日に正四位下に昇進します。
従三位: 延久3年（1071年）11月18日に従三位に昇進します。公卿としての地位を確立しました。
* 正三位: 延久6年（1074年）6月16日に正三位に昇進します。これは、彼が公卿として最高位に近い地位に到達したことを示しています。

源隆綱は、多くの官職を歴任し、位階も着実に昇進した人物です。彼の生涯は、平安時代中期の貴族社会における官僚の典型的なキャリアパスを示すものと言えるでしょう。特に、近衛府における軍事的な役割と、地方官としての経験が、彼のキャリアを形作った重要な要素と考えられます。

参考文献:『公卿補任』

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