源雅俊

源 雅俊について

源雅俊（みなもと の まさとし）は、平安時代後期の公卿であり、村上源氏系の一員です。彼は右大臣・源顕房の三男として生まれ、官位は正二位及び権大納言を務めました。彼の人生は官職の昇進や仏教の信仰に彩られ、特に宗教的な活動に力を注いだ人物として知られています。

経歴

雅俊は延久5年（1073年）に叙爵され、翌承保元年（1074年）には侍従に任命されました。759年間の在任期間中、彼は順調に昇進し、承暦3年（1079年）には従五位上、承暦4年（1080年）には左近衛少将に就任しました。この間、彼は姉の中宮・藤原賢子の中宮権亮をも兼任しました。

永保期に入ると、雅俊は永保2年（1082年）に左近衛権中将に昇任し、その後も順調に昇叙していきました。応徳3年（1086年）には堀河天皇の即位を迎え、引き続き蔵人頭を務めることとなります。寛治5年（1091年）には参議に任じられ、公卿の仲間入りを果たしました。その後も彼は様々な職務を兼任しながら昇進を続け、最終的には天永2年（1111年）に権大納言に至りました。

彼の最晩年は保安3年（1122年）4月13日に迎えました。この時、雅俊は享年57であり、最終官位は権大納言正二位でした。

人物像

源雅俊は、官位を積み重ねる一方で、仏教に対する深い信仰心がありました。嘉承2年（1107年）には、堀河天皇のために香隆寺で丈六千手観音像と涅槃経の供養を行いました。その行動は生死の無常を理解し、京極に堂を建立して九体の阿弥陀丈六像を奉安し、自らも朝ごとに礼拝を欠かさなかったことからも伺えます。

彼の信仰心は高く評価されており、『三外往生記』によれば、彼が建立した堂において塔婆を建て、六人の僧侶を配置して法華三昧を修したという記録もあります。これに対し、当時の人々からは「公卿の人でこのような大善根、誠に希有のことである」と評されました。

系譜

雅俊の家族についても少し触れておきます。父は源顕房、母は藤原良任の娘です。彼は高階業子との間に数人の男子をもうけ、特に源顕重や源顕俊、さらに源顕親（1088-1160）などが知られています。また、他にも生母不明の子女が多かったことが記録されています。

まとめ

源雅俊の生涯は、平安時代後期の日本における公卿の一例を成すものであり、政治的な地位を築くだけでなく、宗教的活動にも尽力したことから、彼の存在は当時の社会において重要なものであったと言えるでしょう。彼の信仰と活動は、後の時代にも影響を与え、今なお多くの人々に存在を思い起こさせる存在となっています。

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