源頼資

源頼資（みなもと の よりすけ）

源頼資は、平安時代中期に活躍した武士であり、官人でもありました。源頼国を父として生まれ、その生涯は官人としての活動と、文化人、そして武人としての側面が入り混じったものでした。

生涯

寛弘7年（1010年）頃に誕生したとされ、早くに従五位下・下野守に任官しています。下野守としての任官は、彼の官人としての地位を示すものであり、同時に地方政治に関与していたことを示唆しています。

永承年間には、六条斎院禖子内親王歌合に参加したり、橘資成と歌合を共催するなど、文化人としての側面も垣間見えます。歌合への参加は、当時の貴族社会における文化的な交流の一環であり、彼の教養や文化的嗜好を示すものと言えるでしょう。

しかし、『扶桑略記』には、康平7年（1064年）に国司上総介橘惟行の館を焼亡させて佐渡国へ流罪になるという記述が残っており、粗暴な一面もあったようです。この事件は、彼の武人としての側面を浮き彫りにするとともに、当時の社会における紛争や権力闘争の一端を示しているとも考えられます。二年後に罪を許され帰国を果たしていますが、その直後に没したとされています。

官暦

源頼資の官暦を以下に示します。

長暦2年10月7日（1038年11月12日）：六位蔵人見任
長暦3年1月1日（1039年2月2日）：蔵人範基との相論により不勤。
長暦3年11月15日（1039年12月9日）：左衛門尉見任
長久2年1月（1041年）：蔵人を去る。従五位下を叙位
康平5年12月28日（1063年2月5日）：下野守見任
康平6年12月18日（1064年1月15日）：前下野守源頼資配流
康平7年9月16日（1064年11月3日）：前下野守源頼資、上総介橘惟行館を焼亡させたため佐渡国に配流
康平7年12月5日（1065年1月20日）：土佐国に流される
治暦2年7月2日（1066年8月1日）：流罪を免除される
治暦2年8月24日（1066年9月22日）：没

系譜

源頼資の系譜は以下の通りです。

父：源頼国
母：藤原師長（備後守）の娘
妻：不詳
男子：源国宗
男子：源長資
男子：源致義
男子：源基国
五男：源資兼 - 溝杭氏の祖
男子：源真国
男子：源国貞
* 男子：源国俊

源頼資は、武士、官人、文化人という多面的な顔を持ち、その生涯は平安時代中期の社会情勢を反映しています。彼の人生は、当時の貴族社会における文化的な交流、地方政治、そして武士の台頭といった要素が複雑に絡み合っていたことを示唆していると言えるでしょう。

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