源頼国

源頼国（みなもと の よりくに）は、平安時代中期に活躍した武将であり、官人でもあります。彼は、著名な武将である源頼光の長男として生まれました。また、源頼義はいとこにあたります。

経歴

父である頼光と同様に、頼国も主に京都において中級官人として活動しました。特に、藤原道長一族との結びつきが非常に強く、道長の娘である上東門院彰子、そしてその所生の皇子である敦成親王（後の後一条天皇）に長きに渡って近侍しました。しかし、武人としてよりも文人としての活動が主体であり、寛弘4年（1007年）に道長が主催した漢詩の会に出席した記録が残っています。内昇殿を許され、娘たちを摂政藤原師実や参議藤原為房といった公卿の妻妾に嫁がせるなど、貴族社会の一員としての側面が強かったと言えるでしょう。

説話においては、父である頼光の酒呑童子退治に、四天王や藤原保昌らと共に同行し、茨木童子の住居であった「鬼ヶ城」を攻め落とす武士として描かれています。しかし、史実上の頼国に武人としての目立った事績はなく、寛仁3年（1019年）に暴漢を逮捕したことなど、主に京都周辺の警察的な活動に従事しました。また、山梨県笛吹市の長昌寺に所蔵されている大般若波羅蜜多経には、彼の奥書が残されています。

系譜

父：源頼光
母：藤原元平の娘
妻：藤原信理の娘
長男：源頼弘 - 従五位下讃岐守、出家
三男：源頼実（1015-1044）
四男：源実国（1020-?）
妻：藤原師長の娘
次男：源頼資（?-1066）
妻：藤原仲清の娘
五男：源頼綱（1025-1097）
八男：源師光（?-1100）
妻：不詳
六男：源国房（?-1119）
七男：源頼仲
九男：源頼房
十男：源頼任
男子：源富国
男子：源明円
女子：六条斎院宣旨（?-1092）
女子：藤原為房室
女子：藤原師実室
女子：藤原顕家室
女子：藤原良綱室
女子：藤原定輔室
女子：藤原盛綱室

このように、源頼国は多くの子女に恵まれました。頼実、頼綱、師光は歌人としても知られており、また、頼資、頼綱、国房、師光らの子孫は、後代において武門として様々な形で歴史に名を刻んでいます。さらに、娘たちのうち、師実妻は左大臣家忠（花山院家祖）、為房妻は参議為隆（吉田家祖）、権中納言顕隆（葉室家祖）らをそれぞれ生んだことで知られています。また、別の娘の一人は歌人「六条斎院宣旨」として名を残しています。

参考文献

横山, 住雄『美濃土岐氏―平安から戦国を駆け抜けた本宗家の戦い』戎光祥出版株式会社、2024年4月10日。ISBN 978-4-86403-504-0。

関連項目

摂津源氏
多田源氏
美濃源氏
丸山城 (摂津国能勢郡)

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