滋野井公光

滋野井公光（しげのい きんみつ）

滋野井公光は、鎌倉時代前期から中期にかけて活躍した公卿で、滋野井実宣の次男として生まれました。彼の生涯は、官位の昇進と、それに伴う様々な役職の兼任によって彩られています。

生涯

嘉禄2年（1226年）、兄である公賢が父との対立から出家したため、急遽、公光が嫡男となりました。翌嘉禄3年（1227年）には従五位上に叙せられ、安貞2年（1228年）には侍従に任じられます。寛喜2年（1230年）には正五位下に進み、寛喜3年（1231年）には従四位下・右近衛少将に叙任されました。

その後も順調に昇進を重ね、寛喜4年（1232年）には従四位上・近江権介に叙任。天福元年（1233年）には皇太后権亮に任ぜられました。文暦2年（1235年）には正四位下・右近衛中将に叙任され、美濃権介を兼ねます。延応元年（1239年）には蔵人頭に補任され、仁治元年（1240年）には従三位・参議に叙任され、公卿の仲間入りを果たしました。右近衛中将・備前権守・右衛門督・近江権守も兼任しています。仁治3年（1242年）には正三位に叙されました。

仁治4年（1243年）には権中納言に任ぜられ、寛元2年（1244年）には勅授帯剣を許されました。寛元4年（1246年）には従二位に昇叙され、建長2年（1250年）には中納言に転任。建長3年（1250年）には正二位に至りました。

建長6年（1254年）に中納言を辞し、建長7年（1255年）11月9日に出家、翌10日に33歳という若さで薨去しました。

官歴

滋野井公光の官歴は、『公卿補任』に詳細に記録されています。以下にその一部を抜粋します。

嘉禄2年（1226年）：兄・公賢が出家し、嫡男となる。
嘉禄3年（1227年）正月5日：従五位下に叙爵。
嘉禄3年（1227年）正月5日：従五位上に叙す。
安貞2年（1228年）2月1日：侍従に任ず。
寛喜2年（1230年）正月5日：正五位下に叙す。
寛喜3年（1231年）正月29日：右近衛少将に任ず。10月12日：従四位下に叙す。
寛喜4年（1232年）正月12日：従四位上に叙す。正月30日：近江権介を兼ぬ。
天福元年（1233年）6月20日：皇太后権亮に任ず。
文暦2年（1235年）6月17日：右近衛中将に転ず。11月19日：正四位下に叙す。
嘉禎2年（1236年）2月30日：美濃権介を兼ぬ。
延応元年（1239年）11月16日：蔵人頭に補す。
仁治元年（1240年）10月20日：参議に任ず。11月12日：従三位に叙す。
仁治2年（1241年）2月1日：備前権守を兼ぬ。
仁治3年（1242年）7月15日：右衛門督を兼ぬ。11月4日：近江権守を兼ぬ。11月12日：正三位に叙す。
仁治4年（1243年）7月27日：権中納言に任ず。
寛元2年（1244年）2月23日：勅授帯剣。
寛元4年（1246年）正月5日：従二位に叙す。
建長2年（1251年）1月8日：中納言に転ず。
建長3年（1251年）正月22日：正二位に叙す。
建長6年（1254年）正月13日：辞す。
建長7年（1255年）11月9日：出家。11月10日：薨去。

系譜

父：滋野井実宣
母：藤原宗子 - 持明院基宗の娘
妻：一条実有の娘
長男：滋野井実冬（1243-1303）
生母不明の子女
女子：従三位中納言典侍
女子：一条実家室

このように、滋野井公光は、鎌倉時代中期において、着実に官位を昇進させ、様々な要職を歴任した人物でした。若くして亡くなったものの、その短い生涯の中で、公卿として一定の地位を築き上げました。

もう一度検索