潘栄

潘栄（はん えい、1419年 - 1496年）は、明代に活躍した官僚です。字は尊用、号は疏庵と称しました。彼の出自は漳州府龍渓県にあり、潘乾と陳氏の間に生まれました。

若くして郡の庠生となった潘栄は、1444年（正統9年）に福建の郷試に合格し、その才能を開花させます。1448年（正統13年）には進士に及第し、官僚としてのキャリアをスタートさせました。当初は軍を慰労するため広東に派遣されましたが、1450年（景泰元年）には北京に戻り、吏科給事中に任じられました。

潘栄はその職務において、官吏の復職停止や競争の抑制など、数々の重要な提言を上奏し、景泰帝の信任を得ました。1452年（景泰3年）には左給事中に昇進し、荊府冊封副使も務めました。1453年（景泰4年）には、廷臣の言論を委縮させないよう訴え、その勇気ある姿勢を示しました。

1454年（景泰5年）には、父の死により喪に服すため帰省し、母に孝養を尽くしました。1459年（天順3年）に喪が明けると官界に復帰し、1461年（天順5年）には蜀府冊封副使を務めました。

1462年（天順6年）、潘栄は琉球への冊封使という重要な役目を担いました。この際、彼は『中山八景記』を著し、その功績を石に刻みました。1464年（天順8年）に帰国すると、都給事中に転じました。その後、母の死により再び帰郷し喪に服しましたが、1469年（成化5年）には六科諸給事に任じられ、再び中央政界で活躍しました。

1470年（成化6年）には、同僚と共に成化帝に対し、毎日朝政を執り行うよう請願しましたが、この時期の成化帝は万貴妃に溺れており、この願いは聞き入れられませんでした。同年のうちに、潘栄は南京太常寺少卿に転任となりました。

1473年（成化9年）には中憲大夫の位を受け、1476年（成化12年）には南京戸部右侍郎に昇進しました。1478年（成化14年）には右副都御史に転じ、南京の食糧備蓄を総括する職務を担いました。彼は数万石の食糧を備蓄し、凶作に備えました。1479年（成化15年）には通議大夫の位を授けられました。

1481年（成化17年）には、北京に召還され戸部左侍郎となり、その後、戸部尚書の事務を代行しました。この時期、英国公張懋ら43人の歳禄増額計画に反対し、中止に追い込みました。また、宦官の趙陽らが両淮の塩10万引を求めた際も、潘栄はこれを弾劾し、趙陽らを譴責させました。1483年（成化19年）には致仕を願い出ましたが、慰留されました。

1484年（成化20年）、潘栄は黄鎬の後任として南京戸部尚書に就任しました。1487年（成化23年）に弘治帝が即位すると、資善大夫の位を授けられ、致仕が許されました。1496年（弘治9年）10月18日、78歳でその生涯を閉じました。その死後、太子太保の位が追贈され、彼の功績が称えられました。

潘栄は、その生涯を通じて、公正で剛直な官僚として、また、民を思う政治家として、明朝に貢献しました。彼の残した業績は、後世に長く語り継がれることでしょう。

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