潮岬灯台

潮岬灯台

潮岬灯台は、和歌山県串本町の潮岬に位置する、太平洋に面した白亜の美しい灯台です。その歴史的価値と景観の美しさから、「日本の灯台50選」にも選ばれています。

歴史

潮岬灯台は、1866年（慶応2年）に日本がアメリカ、イギリス、フランス、オランダと結んだ「改税条約」（江戸条約）に基づき建設された8つの灯台の一つです。当初はスコットランドのスティーブンソン事務所の設計に基づき、リチャード・ヘンリー・ブラントンの指揮のもと、アーサー・ブランデルが設計・工事管理を行いました。

1869年（明治2年）4月に樫野埼灯台と共に着工し、翌1870年（明治3年）6月10日に完成しました。当初は八角形の木造灯台で、日本初の洋式木造灯台でしたが、灯台機械を運搬する船の沈没により、アメリカから輸入した蒸気機関車のヘッドランプを仮に使用していました。そのため、本点灯は1873年（明治6年）9月15日まで遅れました。

この灯台の建設が急がれた背景には、潮岬が海上交通の要衝であり、沖合の潮流が速く、風も強いため航海の難所であったことがあります。

1878年（明治11年）には、現在の石造灯台に改築されました。その後、1929年（大正4年）に第2等フレネル不動レンズと石油蒸発白熱灯に、1938年（昭和3年）には電化、1957年（昭和32年）には90センチメートル回転式灯器に交換されています。

附属施設・業務

潮岬灯台には、かつて無線方位信号所（レーマークビーコン局）が併設されていましたが、2016年（平成28年）に船舶気象通報が廃止されました。

灯台資料展示室

灯台には資料展示室が併設されており、灯台の歴史、機能・役割などを学ぶことができます。2代目潮岬灯台レンズ（第2等フレネル不動レンズ）をはじめ、貴重な資料が多数展示されています。

一般公開

潮岬灯台は参観灯台として一般公開されており、内部を見学することができます。灯台の上からは太平洋の雄大な景色を一望できます。
中学生以上：300円
小人：無料

交通

JR紀勢本線（きのくに線）串本駅から熊野交通バスで潮岬灯台下車、徒歩2分

周辺情報

潮岬灯台周辺は南紀の景勝地であり、吉野熊野国立公園に指定されています。


参考文献
阿部智里『灯台を読む』株式会社文藝春秋、2024年10月10日。ISBN 9784163919034。

関連項目
保存灯台
吉野熊野国立公園

外部リンク
* 潮岬灯台 - 南紀串本観光協会'>潮岬灯台 - 南紀串本観光協会

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