濱ノ嶋啓志

濱ノ嶋啓志について

濱ノ嶋啓志（はまのしま けいし、1970年3月21日生まれ）は、熊本県宇土市出身の元大相撲力士です。本名は濱洲圭志（はます けいし）で、三保ヶ関部屋に所属していました。彼の相撲キャリアでの最高位は1994年9月場所に達した西小結です。身長は179cm、体重は131kg。得意な技には両前褌と寄りがあり、力強い相撲を特徴としていました。

現在は年寄・尾上として、尾上部屋（出羽海一門）の師匠として活動しています。濱ノ嶋は、長男の照寶や甥の竜虎といった現役力士を持つ家庭背景もあり、相撲界における影響力は大きいものがあります。

来歴

濱ノ嶋は熊本工大高等学校（現・文徳高等学校）からスタートし、全国大会に出場する注目選手でした。大学は日本大学に進学し、そこで同級生の坂本（後に前頭筆頭の肥後ノ海）と共に力士としての基礎を築いていきました。卒業後は、坂本と共に三保ヶ関部屋に入門しました。1992年1月の初土俵以来、その活躍は目覚ましく、1993年1月場所では十両に昇進します。

不運なことに、1993年11月場所では11勝4敗を記録したにもかかわらず幕内昇進を逃しますが、その後1994年1月に新入幕を果たします。背丈は小さいものの、小力を生かした前褌を駆使し、相撲界で確固たる地位を築き上げました。特に1994年7月場所では貴ノ花や貴ノ浪を破り、8勝7敗の成績を収めて殊勲賞を受賞するなど輝かしい瞬間もありました。

同年9月場所では最高位の西小結に昇進したものの、その後は負け越しが続き、幕内中位から下位で8勝9勝を繰り返す状態が続きます。現役後期には糖尿病を患ってしまい、2001年5月場所をもって十両に陥落。さらには2002年3月場所では幕下にまで降格し、引退を考える声も上がりますが、彼は「相撲を取り続けたい」という情熱を胸に、現役を続行しました。

2004年5月場所中に引退を決意し、年寄・尾上を襲名。引退後の2年間は三保ヶ関部屋での指導に専念し、多くの弟子を育てました。しかし、2005年11月には独立の意向を表明し、2006年には尾上部屋を設立しました。

経歴の波乱

尾上部屋の設立後も、師匠としての評価を受ける一方で、2011年の八百長問題に巻き込まれ、多くの弟子が退部となる事態に直面します。この際、管理責任を問われ、年寄に降格されるなど厳しい処分を受けました。加えて、同年4月には酒気帯び運転で摘発され、さらなる処分を受ける結果となります。

しかし、その後の理事会において昇格停止が解除され、8年後にかつての地位に復帰。自身の運営する部屋を支えるために尽力し続けています。長男の濱洲泉啓も相撲界に入門し、今後の活躍が期待されます。このような背景を持つ濱ノ嶋啓志は、相撲界の伝統を受け継ぎながら、新たな時代を迎え続けている力士です。

主な成績

通算成績は447勝495敗、勝率は.475です。特に幕内成績では293勝367敗を残しており、現役在位は75場所、幕内在位は44場所、三役在位は1場所（小結1場所）でした。三賞も1回（殊勲賞）獲得したことが特筆されます。これまでの成績や出来事が示す通り、彼の相撲人生は波乱に満ちたものであり、今もなおその影響を与え続けています。

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