瀬戸記念橋駅

瀬戸記念橋駅の歴史と変遷

瀬戸記念橋駅は、愛知県瀬戸市末広町にかつて位置していた自動車駅で、JR東海バスが運営していました。この駅は、1930年に開業した岡多線の一部として設置されました。岡多線は、日本初の省営バス路線であり、当駅の名前は、隣接する記念橋に由来しています。この橋は、大正天皇の行幸を記念して架設されたものです。

開業と発展

瀬戸記念橋駅は、岡崎駅と多治見駅を結ぶ大事な結節点でした。駅は豊田方面、高蔵寺方面、および多治見方面の三つの方向からアクセスできる便利な位置にありました。岡多線は当初、岡崎駅と多治見駅を結び、さらに高蔵寺駅にもアクセス可能でした。この利便性から、多くの利用客に親しまれたのです。

その後、路線網が拡大し、瀬戸南線（挙母、岡崎方面）、瀬戸北線（品野、多治見方面）、瀬戸西線（名古屋方面）も運行されるようになりました。国鉄の鉄道駅が瀬戸市内に存在しなかったため、駅は特急券や指定券を購入する場所として多くの市民に利用されていました。

国鉄分割民営化とその影響

しかし、1990年代に国鉄が分割民営化された後、路線は次第に縮小されていきました。特に2001年にゆとりーとラインが開業したことで、瀬戸西線は瀬戸みずの坂までに短縮され、瀬戸記念橋駅を経由する部分は廃止されてしまいました。同時に、瀬戸南線も一般路線バスとして全廃されました。

最後の運行と廃止

2005年、愛・地球博の開催に伴う周辺の再開発によって、駅の施設はついに廃止されました。この時、ドリームとよた号の停留所は瀬戸駅前バスターミナルへ移転しました。2009年にはJR東海バスの路線も全て廃止され、当停留所は完全に消滅しました。これにより、瀬戸市内からJRバス関連のステーションは無くなったのです。

現在は、同じ場所に名鉄バスの「記念橋」バス停が設置されています。また、駅の名残をとどめる「省営バス発祥の地の碑」も残されており、地域の歴史を物語っています。

詳細な沿革

• - 1930年（昭和5年）12月20日: 岡多線が開通し、瀬戸記念橋駅が開業。
• - 1987年（昭和62年）4月1日: 国鉄分割民営化により、東海旅客鉄道自動車事業部に移管。
• - 1988年（昭和63年）2月24日: ジェイアール東海バスに移管。
• - 2004年（平成16年）: 駅施設が廃止される。
• - 2009年（平成21年）9月30日: JR東海バスの全路線が廃止。

このように、瀬戸記念橋駅は愛知県の交通史において重要な役割を果たしてきた地点でしたが、時代の変遷とともにその姿を消していきました。地域の記憶として、今もなおその痕跡が残されていることは心温まるものです。

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