火山岩塊

火山岩塊（Volcanic Block）

火山岩塊とは、火山活動によって地表に放出される岩石片のうち、直径が64ミリメートル以上のものを指します。この分類は、岩石の生成過程や組成に関わらず、単にその粒径によって決定される点が特徴です。

定義と分類

火山岩塊は、火山噴出物の一種として分類されますが、その定義は粒径のみに基づいています。そのため、同じ大きさの岩石片でも、その成因や噴出時の状態によって、異なる名前で呼ばれることがあります。例えば、マグマが空中で固まってできたものは火山弾、発泡したマグマが飛散したものはスコリアなど、より詳細な分類が存在します。したがって、火山岩塊という用語は、粒径による分類の基本として用いられる一方、より具体的な成因を示す用語の方が、地質学的な議論では好まれる傾向があります。

火山噴出物との関係

火山岩塊は、火山から噴出される様々な物質（火山噴出物）の一部です。火山噴出物は、その状態によって、固体（火山岩塊、火山弾、スコリアなど）、液体（溶岩）、気体（火山ガス）に大別されます。これらの噴出物のうち、固体である火山砕屑物（かざんさいせつぶつ）は、さらにその粒径によって細かく分類されており、火山岩塊はその中で最も大きなサイズに該当します。なお、64mm未満の火山砕屑物は、火山礫や火山灰などと区別されます。

学術的な扱い

火山岩塊は、地質学や火山学において、火山活動のメカニズムや噴火の規模を解析する上で重要な手がかりとなります。ただし、その名称が示すように、単にサイズによって区別されるため、具体的な成因を特定するためには、より詳細な分析や観察が必要です。そのため、実際の研究や地質調査では、火山岩塊という用語だけでなく、より詳細な成因を示す用語（例えば、火山弾、スコリアなど）が併用されることが一般的です。

まとめ

火山岩塊は、火山から噴出される固体物質の分類において、粒径が64ミリメートル以上のものを指す基本的な用語です。その定義は単純ですが、火山噴出物の分類体系を理解する上で重要な概念であり、火山活動の研究において不可欠な要素の一つです。より詳細な分析を進めるためには、成因に基づいた用語を理解し、適切に使い分けることが重要となります。

参考文献

天野一男、秋山雅彦 著「D-1-3 岩石の分類」、日本地質学会フィールドジオロジー刊行委員会 編『フィールドジオロジー入門』共立出版〈フィールドジオロジー〉、2004年、131-134頁。ISBN 4-320-04681-1。
国立天文台 編「構成粒子の径と砕セツ岩」『理科年表 平成20年』丸善、2007年、654頁。ISBN 978-4-621-07902-7。

外部リンク

* 佐々木実 (2008年6月15日). “火山砕屑物と火砕岩の分類”. 地質調査法実習 2008. 弘前大学理工学部地球環境学科.

もう一度検索