砕屑岩

砕屑岩とは

砕屑岩（さいせつがん、英語: clastic rock）とは、地表の岩石が風化や侵食作用によって細かく砕かれた粒子（砕屑物）が、水や風によって運ばれ、堆積して固まった堆積岩の一種です。特に、火山活動によって放出された火山灰などの粒子が堆積してできたものは、火山砕屑岩（火砕岩）と呼ばれます。

砕屑岩の分類

砕屑岩は、構成する砕屑物の粒径によって大きく以下の3つに分類されます。

礫岩（れきがん）: 砕屑物の平均粒径が2mm以上のもの。礫（れき）が主体で、丸みを帯びたものが多いですが、角張った礫で構成されるものは角礫岩（かくれきがん）と呼ばれます。
砂岩（さがん）: 砕屑物の平均粒径が1/16mm以上2mm以下のもの。砂粒が主体で、石英などの鉱物が多く含まれます。
泥岩（でいがん）: 砕屑物の平均粒径が1/16mm以下のもの。泥や粘土が主体で、さらに粒径によってシルト岩と粘土岩に細分化されます。
シルト岩: 泥岩の中で平均粒径が1/256mm以上1/16mm以下のもの。
粘土岩: 泥岩の中で平均粒径が1/256mm以下のもの。

泥岩の中でも、薄く剥がれやすい性質（剥離性）を持つものは、頁岩（けつがん）や粘板岩（ねんばんがん）と呼ばれます。

砕屑岩の堆積構造

砕屑岩は、その生成過程で様々な堆積構造を示すことがあります。特に、砂岩と泥岩では、粒径のわずかな違いによって、葉理（ようり）と呼ばれる縞模様のような構造が発達することがあります。

一般的に、砕屑物の粒径は、堆積時の水のエネルギーの大きさを反映していると考えられています。水のエネルギーが大きいほど、粗い粒子が運ばれ、堆積します。したがって、砕屑岩を構成する粒子の大きさや堆積構造を調べることは、当時の堆積環境を復元する上で非常に重要です。

砕屑岩の研究

砕屑岩の研究は、地球の歴史を解き明かす上で重要な役割を果たします。地層中に記録された砕屑岩の情報を分析することで、過去の地形や気候、地殻変動などを知ることができます。また、石油や天然ガスなどの資源を探索する上でも、砕屑岩の分布や堆積構造の把握は欠かせません。

まとめ

砕屑岩は、地球の歴史や環境を物語る重要な堆積岩です。その種類や特徴、堆積構造を理解することで、地球科学への理解を深めることができます。

参考資料

国立天文台 編「構成粒子の径と砕セツ岩」『理科年表 平成20年』丸善、2007年、654頁。ISBN 978-4-621-07902-7。
* 産業技術総合研究所地質調査総合センター「岩石の分類」

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