無関普門

無関普門（むかんふもん）について

無関普門は鎌倉時代中期の臨済宗の僧侶で、諱は玄悟、房号は普門房、そして諡号は大明国師として知られています。彼は信濃国高井郡保科、今の長野市で生まれました。その血筋は信濃源氏井上氏に属しており、母方の出身が越後平氏であったため、幼少期は越後国で育てられました。

出家と修行の道

無関普門は13歳の時、越後国の正円寺にて出家し、剃髪しました。出家後は、塩田流北条氏により治められていた信濃国塩田荘で講座に参加し、数年後には再び正円寺に戻り叔父である寂円に仕える生活を送りました。19歳の頃には上野国の長楽寺で、当時の師である栄朝から菩薩戒を授かることになります。これを契機に無関普門は、関東や北越の様々な講席を巡り、さらに京都の東福寺にて円爾（弁円）からも参禅を学びました。

禅宗の旅と帰国

建長3年（1251年）には中国の宋へ渡り、弘長元年（1261年）に日本に帰国しました。この間、無関普門は数多くの禅宗寺院を訪れ、精力的に修行を続けました。このような彼の修行の旅は、彼の後の教えや活動に大きな影響を与えました。

東福寺と南禅寺の住持

帰国後、弘安4年（1281年）には藤原実経に請われて東福寺の第三世住持となりました。さらに、正応元年（1288年）には、亀山上皇が離宮に出没する妖怪を降伏させた功績により南禅寺の開山となります。このように、無関普門は当時の宗教界において重要な役割を果たすことになります。

最期と遺産

無関普門の終焉の地は東福寺内の塔頭である龍吟庵であり、ここは彼の住居跡であり、塔所（墓所）とされています。また、南禅寺の塔頭である天授庵も、虎関師錬により無関普門の塔所として建立されました。彼の教えは、今日でも多くの僧侶に受け継がれ、信仰の対象とされています。

まとめ

無関普門は、彼の修行と教えを通じて、日本の臨済宗に大きな影響を与えました。その生涯からは、宗教の深い理解と教えの重要性を感じることができ、彼の足跡は今なお多くの人々に親しまれています。

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