塩田流北条氏

塩田流北条氏について

塩田流北条氏は、鎌倉幕府を支えた北条氏の一門であり、極楽寺流に属する分流です。その祖は、北条重時の五男である北条義政。義政が信濃国塩田荘（現在の長野県上田市）を領したことから、「塩田」の名を冠するようになりました。

義政の出家と一族の動向

義政は、鎌倉幕府において連署という要職にあり、8代執権・北条時宗を支える立場でした。しかし、36歳という若さで突然出家し、信濃国の善光寺に遁世。これによって所領は没収されました。この出来事は、一族のその後の運命に大きな影響を与えました。

義政の子である国時や、時治の子である俊時は、引付頭人として幕府に仕えました。また、国時の子である藤時は評定衆を務めた時期もありましたが、一族から寄合衆や両執権を輩出することはなく、極楽寺流の中での家格は、嫡流である赤橋家の下に位置づけられました。

兄弟間の序列においては、異母兄である業時よりも義政の方が上位に位置づけられていましたが、義政の出家後は、業時の普恩寺家が嫡流に次ぐ家格となりました。

「信州の鎌倉」と一族の最期

義政が居住した信濃国塩田荘は、「信州の鎌倉」と呼ばれるほど、中世文化が栄えた地域でした。しかし、鎌倉幕府が滅亡する際には、塩田流北条氏も宗家に殉じ、国時とその子の藤時・俊時をはじめとする一族が、共に自害するという悲劇的な結末を迎えました。

一族の人物

北条義政：塩田流北条氏の祖。連署を務めたが、出家し遁世。
北条時治（時春）：義政の子。
北条国時：義政の子。引付頭人を務めた。
北条俊時：時治の子。引付頭人を務めた。
北条藤時：国時の子。評定衆を務めた。

参考文献

細川重男『鎌倉政権得宗専制論』吉川弘文館、2000年。

関連項目

極楽寺流北条氏
塩田城

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