熊谷地方気象台

熊谷地方気象台について

熊谷地方気象台は、埼玉県熊谷市桜町に所在する、埼玉県で唯一の地方気象台です。全国的にも珍しく、県庁所在地ではない都市に設置されています。この気象台は、過去に日本国内の最高気温を記録したことでも知られています。

歴史

1896年12月1日に、埼玉県熊谷測候所として観測を開始しました。通常、気象台は県庁所在地に設置されることが多いのですが、埼玉県では当時の主要産業であった養蚕業の中心地が熊谷であったこと、また県庁所在地の浦和が東京に近すぎたため、熊谷に設置されたとされています。その後、1939年に国営化され、1957年に現在の熊谷地方気象台に改称されました。1965年には新庁舎が完成し、開設以来一度も移転することなく、100年以上にわたり同じ場所で業務を続けています。

観測機器

気象台の庁舎屋上には、風向風速計と日照計が設置されています。また、庁舎の横にはウィンドプロファイラがあり、観測露場には温度計、湿度計、積雪計、感雨器、転倒ます型雨量計が設置されています。これらの機器を通じて、日々の気象状況を詳細に観測しています。

地域への取り組み

熊谷地方気象台では、毎年8月に「あついぞ！熊谷 お天気フェア」を開催しています。このイベントを通じて、気象観測の楽しさを地域住民に伝え、気象への親しみを深める活動を行っています。また、気象台のホームページでは、熱中症対策に関する情報を掲載し、高温時の注意を促しています。

見学について

気象台の施設見学は、事前の申し込みが必要です。見学は平日の9時から16時まで可能ですが、7月21日から8月31日の夏休み期間中は、火曜日と金曜日のみ見学を受け付けています。

観測された極値

熊谷地方気象台では、以下のような極値が観測されています（特記がない限り、気象庁の観測史上1～10位の値に基づきます）。

最高気温: 41.1℃（2018年7月23日） - 国内観測史上最高記録
最低気温: -11.6℃（1919年2月9日）
最大1時間降水量: 88.5ミリ（1943年9月3日）
最大24時間降水量: 310.5ミリ（1982年9月12日）
最小相対湿度: 6%（2018年3月30日）
最大風速: 31.7メートル毎秒（1900年9月28日）
最大瞬間風速: 41.0メートル毎秒（1966年9月25日）
日最深降雪: 43センチ（2014年2月8日）
最深積雪: 62センチ（2014年2月15日）

これらの記録からもわかるように、熊谷地方気象台は極端な気象現象を観測する上で重要な役割を果たしています。特に、2018年7月23日に観測された41.1℃は、国内観測史上最高気温として記録されています。また、2014年2月の豪雪では、積雪に関する記録が更新されました。さらに、全国での6月と9月の最高気温記録も、それぞれ39.8℃（2011年6月24日）と39.7℃（2000年9月2日）を観測しています。

アクセス

熊谷地方気象台へのアクセスは以下の通りです。

公共交通機関: 熊谷駅から朝日バスに乗車し、「気象台入口」下車、徒歩3分。
* 徒歩: 熊谷駅から約25分、上熊谷駅から約15分。

まとめ

熊谷地方気象台は、長年にわたり埼玉県および日本の気象観測に貢献してきた重要な施設です。その観測データは、天気予報だけでなく、防災対策にも活用されています。地域住民への啓発活動も積極的に行っており、気象に対する理解を深める上で欠かせない存在です。

外部リンク

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