熙州 (甘粛省)

熙州（きしゅう）とは

熙州は、中国にかつて存在した州であり、現在の甘粛省定西市西部から康楽県にかけての地域に、北宋時代から金代にかけて設置されていました。その歴史は、北宋による設置から、金代による臨洮府への昇格、そして元代、明代、清代へと続く変遷をたどります。

北宋時代の熙州

1072年（熙寧5年）、北宋により熙州が設置されました。当時の熙州は秦鳳路に属し、以下の地域を管轄していました。

狄道県
康楽寨
通谷、慶平、渭源、結河、南川、当川、南関、北関、臨洮の9堡
安羌城
広平堡

これらの地域を管轄し、北宋の西方における重要な拠点の一つとなっていました。

金代の熙州：臨洮府への昇格

1142年（皇統2年）、金朝の時代になると、熙州は臨洮府へと昇格しました。臨洮府は熙秦路に属し、管轄する地域は以下の通りでした。

狄道県
当川県
康楽県
慶平鎮
景骨城
* 通谷、渭源、南川、臨洮の4堡

1187年（大定27年）には、熙秦路が臨洮路と鳳翔路に分立し、臨洮府は臨洮路に属するようになりました。これにより、臨洮府は金の支配下で、より重要な位置を占めることになりました。

元代から清代にかけての変遷

1324年（泰定元年）、元朝の時代には、臨洮府は臨洮路と改められました。さらに、1369年（洪武2年）には、明朝により臨洮路は臨洮府へと再び改められました。そして、1738年（乾隆3年）には、清朝によって臨洮府は蘭州府と改称され、その歴史に幕を閉じました。

このように、熙州は北宋時代に設置されてから、金代に臨洮府へと昇格し、元、明、清と時代を経て、最終的には蘭州府へと改称されるという変遷をたどりました。その間、管轄する地域や所属する路も変化し、各王朝の支配下でその役割を果たしました。この地域の歴史を理解する上で、熙州の存在は欠かせない要素と言えるでしょう。

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