片腕カンフー対空とぶギロチン
『片腕カンフー対空とぶギロチン』（原題：獨臂拳王大破血滴子）は、1975年に香港で製作されたカンフー映画です。ジミー・ウォングが監督、脚本、主演を務め、第一影業が製作しました。この作品は、ウォング監督の『片腕ドラゴン』（1972年）の続編にあたります。
海外では、配給会社やビデオソフトによって複数の英題が存在し、例えば「Master of the Flying Guillotine」（米国）、「One-Armed Boxer 2」（英国）、「The One Armed Boxer Vs. the Flying Guillotine」などがあります。日本では、1976年に松竹の配給で劇場公開され、2003年には「東京国際ファンタスティック映画祭」で25年ぶりに上映されました。
本作は、その荒唐無稽な演出からカルト的な人気を博しています。劇中で使用される武器「空とぶギロチン（血滴子）」は、1975年の香港映画『空とぶギロチン』（原題：血滴子）が初出であり、本作はその影響を受けた便乗作品とされています。ジミー・ウォングは『片腕ドラゴン』の撮影前に活動拠点を香港から台湾に移していますが、本作は香港で製作されました。
物語の舞台は18世紀の清朝時代。中国各地から武術家たちが武術大会に集まります。その中に、かつて右腕を失い、残った左腕を「鉄の左腕」として鍛え上げた無敵の武術家、片腕ドラゴンの姿がありました。そこへ、盲目の老暗殺者フンシェンが現れます。フンシェンは、片腕ドラゴンに倒された弟子の仇を討つため、必殺武器「空とぶギロチン」を手に片腕ドラゴンの命を狙います。
片腕ドラゴン - ジミー・ウォング（日本語吹替：田中信夫）
フンシェン（「空とぶギロチン」使い） - カム・カン（日本語吹替：大平透）
シャオティエン（鷹爪拳） - ドリス・ルン（日本語吹替：五十嵐美鈴）
ナイマン（ムエタイ・ボクサー） - シャム・チンボー（日本語吹替：飯塚昭三）
躍馬次郎（無刀流） - ロン・フェイ（日本語吹替：勝田久）
タラシン（ヨガ拳士） - ウォン・ウィンサン
竹割りをする男 - サン・マオ
チャン・チアユー（三節棍使い） - ラウ・カーウィン（ブルース・ラウ）（日本語吹替：ブルース・ラウ）
日本語吹替版ナレーター：小林清志
監督 / 脚本 / 製作 / 製作総指揮 / 主演：ジミー・ウォング
武術指導：ラウ・カーウィン（ブルース・ラウ）、ラウ・カーリョン
本作は低予算で製作されたB級映画ですが、そのチープさこそがカルト的な人気を集める要因となっています。同時期に製作されたブルース・リーのカンフー映画と比較されることが多いですが、カンフーアクションの技術、撮影技術、ストーリー展開など、そのレベルは及ばないものの、それが独特の味わいを生み出しています。
後年の格闘ビデオゲームを彷彿とさせるような奇抜な武術家たちが次々と登場し、対戦する武術大会のシーンや、壁や天井を逆さになって歩く場面、卑怯な技を参考にする主人公など、突っ込みどころ満載です。人違いで無関係の片腕の男を殺しても開き直る老暗殺者、勝つためなら手段を選ばない主人公の戦いぶり、そして、調子外れな効果音など、枚挙にいとまがありません。
劇伴には、ドイツのクラウトロックグループによるインストゥルメンタル曲が多用されています。
クラフトワーク『アウトバーン』より - 「大彗星（軌道）(Kometenmelodie 2)」「深夜そして姿なき足跡(Mitternacht)」「朝の散歩(Morgenspaziergang)」
ノイ!『ノイ!2』より - 「ズーパー」「ズーパー16」
タンジェリン・ドリーム『ルビコン』より - 「ルビコン パート1」
公開当時、これらの楽曲のほとんどは作曲者に無許可で使用されていました。
クエンティン・タランティーノ監督は本作の大ファンであり、彼の監督作品『キル・ビル』には、本作へのオマージュが随所に見られます。『キル・ビル Vol.1』に登場するゴーゴー夕張（演：栗山千明）が使用する武器、鎖付きノコギリ鉄球「ゴーゴーボール」は、本作の「空とぶギロチン」をオマージュしたものです。タランティーノ自身もこのことを語っています。また、『キル・ビル Vol.1』では、本作のオープニングテーマである「ズーパー」が使用され、本作の「空とぶギロチン」の効果音が流用されています。
アメリカのラッパー、ジャンプステディは2005年に本作をモチーフにしたアルバム『Master of the Flying Guillotine』を発表しました。また、ロックバンド「フロム・ファースト・トゥ・ラスト」のアルバム『Dear Diary, My Teen Angst Has a Bodycount』には、本作の英題から取られた「The One Armed Boxer vs. The Flying Guillotine」が収録されています。
片腕カンフー対空とぶギロチン - allcinema
片腕カンフー対空とぶギロチン - KINENOTE
Master of the Flying Guillotine - オールムービー（英語）
Du bi quan wang da po xue di zi - IMDb（英語）
* Slow Train ジミー・ウォング監督インタビュー
海外では、配給会社やビデオソフトによって複数の英題が存在し、例えば「Master of the Flying Guillotine」（米国）、「One-Armed Boxer 2」（英国）、「The One Armed Boxer Vs. the Flying Guillotine」などがあります。日本では、1976年に松竹の配給で劇場公開され、2003年には「東京国際ファンタスティック映画祭」で25年ぶりに上映されました。
概要
本作は、その荒唐無稽な演出からカルト的な人気を博しています。劇中で使用される武器「空とぶギロチン（血滴子）」は、1975年の香港映画『空とぶギロチン』（原題：血滴子）が初出であり、本作はその影響を受けた便乗作品とされています。ジミー・ウォングは『片腕ドラゴン』の撮影前に活動拠点を香港から台湾に移していますが、本作は香港で製作されました。
ストーリー
物語の舞台は18世紀の清朝時代。中国各地から武術家たちが武術大会に集まります。その中に、かつて右腕を失い、残った左腕を「鉄の左腕」として鍛え上げた無敵の武術家、片腕ドラゴンの姿がありました。そこへ、盲目の老暗殺者フンシェンが現れます。フンシェンは、片腕ドラゴンに倒された弟子の仇を討つため、必殺武器「空とぶギロチン」を手に片腕ドラゴンの命を狙います。
キャスト
片腕ドラゴン - ジミー・ウォング（日本語吹替：田中信夫）
フンシェン（「空とぶギロチン」使い） - カム・カン（日本語吹替：大平透）
シャオティエン（鷹爪拳） - ドリス・ルン（日本語吹替：五十嵐美鈴）
ナイマン（ムエタイ・ボクサー） - シャム・チンボー（日本語吹替：飯塚昭三）
躍馬次郎（無刀流） - ロン・フェイ（日本語吹替：勝田久）
タラシン（ヨガ拳士） - ウォン・ウィンサン
竹割りをする男 - サン・マオ
チャン・チアユー（三節棍使い） - ラウ・カーウィン（ブルース・ラウ）（日本語吹替：ブルース・ラウ）
日本語吹替版ナレーター：小林清志
スタッフ
監督 / 脚本 / 製作 / 製作総指揮 / 主演：ジミー・ウォング
武術指導：ラウ・カーウィン（ブルース・ラウ）、ラウ・カーリョン
作品解説
本作は低予算で製作されたB級映画ですが、そのチープさこそがカルト的な人気を集める要因となっています。同時期に製作されたブルース・リーのカンフー映画と比較されることが多いですが、カンフーアクションの技術、撮影技術、ストーリー展開など、そのレベルは及ばないものの、それが独特の味わいを生み出しています。
後年の格闘ビデオゲームを彷彿とさせるような奇抜な武術家たちが次々と登場し、対戦する武術大会のシーンや、壁や天井を逆さになって歩く場面、卑怯な技を参考にする主人公など、突っ込みどころ満載です。人違いで無関係の片腕の男を殺しても開き直る老暗殺者、勝つためなら手段を選ばない主人公の戦いぶり、そして、調子外れな効果音など、枚挙にいとまがありません。
音楽
劇伴には、ドイツのクラウトロックグループによるインストゥルメンタル曲が多用されています。
クラフトワーク『アウトバーン』より - 「大彗星（軌道）(Kometenmelodie 2)」「深夜そして姿なき足跡(Mitternacht)」「朝の散歩(Morgenspaziergang)」
ノイ!『ノイ!2』より - 「ズーパー」「ズーパー16」
タンジェリン・ドリーム『ルビコン』より - 「ルビコン パート1」
公開当時、これらの楽曲のほとんどは作曲者に無許可で使用されていました。
本作の影響
クエンティン・タランティーノ監督は本作の大ファンであり、彼の監督作品『キル・ビル』には、本作へのオマージュが随所に見られます。『キル・ビル Vol.1』に登場するゴーゴー夕張（演：栗山千明）が使用する武器、鎖付きノコギリ鉄球「ゴーゴーボール」は、本作の「空とぶギロチン」をオマージュしたものです。タランティーノ自身もこのことを語っています。また、『キル・ビル Vol.1』では、本作のオープニングテーマである「ズーパー」が使用され、本作の「空とぶギロチン」の効果音が流用されています。
アメリカのラッパー、ジャンプステディは2005年に本作をモチーフにしたアルバム『Master of the Flying Guillotine』を発表しました。また、ロックバンド「フロム・ファースト・トゥ・ラスト」のアルバム『Dear Diary, My Teen Angst Has a Bodycount』には、本作の英題から取られた「The One Armed Boxer vs. The Flying Guillotine」が収録されています。
外部リンク
片腕カンフー対空とぶギロチン - allcinema
片腕カンフー対空とぶギロチン - KINENOTE
Master of the Flying Guillotine - オールムービー（英語）
Du bi quan wang da po xue di zi - IMDb（英語）
* Slow Train ジミー・ウォング監督インタビュー
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