牛首峠 (岐阜県・富山県)

牛首峠

概要

牛首峠（うしくびとうげ）は、日本の岐阜県大野郡白川村と富山県南砺市にまたがる位置にある山道の峠です。その頂上は標高1084メートルに達します。峠の名前は、かつて岐阜県側の白川村にあった牛首集落に由来していますが、この集落は現在では廃村となっています。

歴史

この峠は古くから人々に利用されており、過去には「すかのこ峠」という別名で呼ばれていました。歴史書である『越中志徴』にもその名が見え、「大勘場村と飛州牛首村の山境。但越中、飛驒の国境」として、越中国と飛驒国の境界に位置する重要な地点であったことが記されています。これは、両地域を結ぶ交通路としての役割を果たしていたことを示唆しています。

交通状況

牛首峠へ至る車道は、岐阜県側、富山県側共に舗装されていない未舗装路が中心です。また、夜間の通行を考慮した場合、峠道には街灯が一切設置されておらず、走行には十分な注意が必要です。両側のルートは性質が大きく異なり、それぞれ異なる特徴と難易度を持っています。

岐阜県側

岐阜県側の白川村方面からは、牛首林道を利用して峠に至ります。この林道はその大部分が舗装されていませんが、比較的道幅が広く、路面の大きな凹凸も少ないため、峠へのアクセス路としては比較的通行しやすい状況です。また、カーブミラーも設置されており、視界が悪い箇所でも一定の安全性が考慮されています。峠を目指すルートとしては、この道が最も走行しやすいと言えるでしょう。

富山県側

一方、富山県側からの道は、岐阜県側とは対照的に非常に厳しい山道となっています。利賀川の左岸を進み、利賀村の奥大勘場に至る牛首林道や、峠から利賀川ダムへと続く水無白川林道、そしてその支線であるアテビオ支線などが存在します。これらの道は、落石や路面の崩落による転落の危険性が高く、走行中にタイヤのパンクや車両底部（オイルパンなど）の損傷を引き起こす可能性が頻繁に報告されています。また、道幅は多くの区間で1車線分しかなく、対向車とのすれ違いは極めて困難であり、全体として悪路と評価されています。

加えて、富山県道・岐阜県道34号利賀河合線のうち、この峠付近を通る水無区間は年間を通じて通行止めとなっており、このルートを経由して岐阜県側の飛騨市（旧河合村エリア）方面へ自動車で直接行き来することはできません。

周辺施設・景勝地

牛首峠の周辺には、以下のような地域資源や自然景観が存在します。

白川郷・五箇山の合掌造り集落
水無湖キャンプ場
利賀川ダム
水無渓谷
水無平湿原
天生峠
東俣峠
ノタノオ峠

関連項目

牛首峠に関連する、または言及されることのある項目には以下が含まれます。

牛首断層
利賀村水無
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