牛首断層

牛首断層（うしくびだんそう）

概要

牛首断層は、富山県南部から岐阜県北部に広がる活断層帯です。具体的には、富山県富山市の旧大山町付近から、岐阜県飛騨市、富山県南砺市を経由し、岐阜県大野郡白川村に至る、全長50kmから80kmの範囲に及んでいます。この断層帯は、右横ずれが主な運動様式であるとされています。

地形と地質

この断層は、岐阜県白川村から牛首谷、利賀川上流の水無谷、白木峰南部、神通川流域、熊野川上流、常願寺川流域の小見や亀谷地区、そして早月川上流の馬場島を経て、黒部川支流の小黒部谷へと続いています。総延長は80kmを超える長大な断層であり、特に未調査の小黒部谷を除く地域では、断層破砕帯の露頭が確認されています。また、牛首断層の南側には、約10kmの間隔を置いて跡津川断層が並走しています。庄川水系の水無谷上流部では、牛首断層による破砕帯が20m以上の厚さに達していることが確認されています。

過去の地震活動

牛首断層帯の最新の活動時期は、11世紀以後、12世紀以前（約1000年前）と推定されています。平均活動間隔は約2400〜4500年と長く、この断層帯全体が一つの活動区間として活動した場合、マグニチュード7.7程度の地震が発生すると推定されています。しかしながら、この断層の地震発生確率は、30年以内ではほぼ0％と評価されており、現時点では比較的低いとされています。

その他

牛首断層は、周辺地域の地質構造を理解する上で重要な断層です。この断層の調査は、過去の地震活動の解明や将来の地震リスク評価に貢献すると考えられています。

関連事項

日本の断層一覧
跡津川断層

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