牡鹿町

牡鹿町（おしかちょう）：かつて牡鹿半島に存在した町

牡鹿町は、宮城県東部、牡鹿半島の先端に位置し、2005年4月1日に石巻市を含む1市6町が合併して消滅しました。現在は石巻市の一部となっています。

地理

牡鹿半島はそのほとんどが山地であり、平地が少ない地形です。海岸線はリアス式海岸特有の複雑な形状をしています。町の中心集落は鮎川地区で、金華山への観光船が発着していました。主な島嶼としては、金華山や網地島があります。

歴史

1955年（昭和30年）：鮎川町と大原村が合併し、牡鹿町が発足。
1960年（昭和35年）：チリ地震による津波で被害。
1967年（昭和42年）：町章を制定。
1971年（昭和46年）：牡鹿コバルトラインが開通。
2005年（平成17年）：石巻市、桃生町、河南町、河北町、北上町、雄勝町と合併し、新「石巻市」が誕生。

行政

合併前の最後の町長は木村冨士男氏でした。

経済

漁業が主要産業であり、カキ、ホタテ、ホヤなどの養殖が盛んです。明治時代には、マッコウクジラを対象とした近海捕鯨の基地として栄えました。近年では調査捕鯨による鯨肉の配布も行われています。

地域

2004年8月時点での世帯数は1,914世帯でした。

教育

町内には複数の中学校・小学校が存在しましたが、過疎化の影響で閉校した学校もあります。

中学校：
牡鹿町立鮎川中学校
牡鹿町立大原中学校
牡鹿町立寄磯中学校
牡鹿町立網長中学校(2000年3月閉校)

小学校：
牡鹿町立鮎川小学校
牡鹿町立大原小学校
牡鹿町立谷川小学校
牡鹿町立寄磯小学校
牡鹿町立網長小学校(1997年4月休校→1999年3月閉校)

交通

鉄道は通っていませんが、近隣の女川駅や渡波駅が利用可能です。宮城県道2号石巻鮎川線、宮城県道41号女川牡鹿線、宮城県道220号牡鹿半島公園線などの県道が町内を通っています。

名所・旧跡・観光スポット

金華山：三陸復興国立公園に指定、「かおり風景100選」にも選定。
十八成海水浴場：鳴き砂の浜が近くにあります。
網地白浜海水浴場
おしかホエールランド
御番所公園

祭りとしては鯨まつりが開催されていました。

出身有名人

安住淳（衆議院議員）
阿部智（小説家）
春日富士晃大（元力士、引退後は春日山親方→雷親方）
遠藤正明（歌手）
本間秋彦（ローカルタレント）

平成の大合併について

当初は女川町との合併を検討していましたが、住民意向調査の結果、石巻市との合併を選択しました。合併後の新自治体名については、住民意向調査の結果を尊重し、「牡鹿町」の名称は使用されませんでした。

参考文献

宮城県牡鹿郡（編）（1923年）『牡鹿郡誌』
牡鹿町誌編纂委員会（編）『牡鹿町誌』上巻 [1988]、下巻 [2002]、中巻 [2005]
IWASAKI-GOODMAN, Masami (1994): An Analysis of Social and Cultural Change in Ayukawa-hama
ウィルヘルム・ヨハネス・春水（2005年）「アンバサンに見られる里海の記憶 − 宮城県牡鹿半島寄磯浜をフィールドから」
小野寺正人（1982年）「和船による鰹漁の漁撈習俗—陸前寄磯浜の場合」
庄司東助（1983年）『日本の漁業問題 : その歴史と構造』
東北歴史資料館（編）（1984年）『三陸沿岸の漁村と漁業習俗．上巻』
宮城県水産試験場（1958年-1960年）『沿岸漁業集約経営調査報告書（第1-3年度）』
高橋鉄牛（1926年）『牡鹿郡案内誌』
『宮城県の市町村合併誌～平成の市町村合併の記録～』宮城県、2011年3月。
* 『第１０回石巻地域合併協議会議事録』石巻市、2013年2月26日。

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