特攻!! ゾイド少年隊

特攻!!ゾイド少年隊

『特攻!!ゾイド少年隊』は、トミー（現タカラトミー）のゾイドシリーズを題材にした青木たかお氏の漫画作品です。『別冊コロコロコミック』での掲載を経て、『月刊コロコロコミック』で1988年5月号から1989年4月号まで連載されました。

概要

当初は読み切り作品でしたが、好評を受けて本誌で連載化されました。青木たかお氏のコロコロコミックデビュー作であり、単行本はてんとう虫コミックスから全2巻が発売されています。ただし、読み切り版と連載版の一部は未収録です。

当時のゾイドシリーズは「ゾイド星を舞台とした未来の物語」が基本設定でしたが、本作は現代の地球が舞台。ゾイドは市販のプラモデルとして扱われています。また、ライガー系のゾイドを初めて主役にした作品としても知られています。

ストーリー

ストーリーは大きく分けて2つの構成に分けることができます。

ゾイドシミュレーター編

単行本1巻に収録。読み切り版もこのカテゴリーに属します。主人公が所属する共和国ゾイド少年隊と、敵対する帝国ゾイド少年隊が、トミーの開発した「ゾイドシミュレーター」を使い、改造ゾイドに乗り込んで戦います。

初期の読み切り（計3回）から連載第1話、魔道衆との対決、改造ゾイドバトルトーナメントへと物語は展開していきます。

実機ゾイド編

単行本2巻に収録。1巻とは内容が大きく異なり、共和国ゾイド少年隊のメンバーが、1/1スケールの実機ゾイド（ただし設定は本来の公式とは異なります）に乗り込み、平和を守るために戦います。帝国ゾイド少年隊のメンバーは登場せず、一部人物の設定も変更されています。

用語・設定

ゾイドシミュレーター

プラモデルのゾイドをコンピュータに読み込ませ、そのデータを仮想空間内に実体化させる技術です。改造内容も忠実に反映され、パイロットの思い通りにゾイドを動かすことができます。乗り手の運動神経も機体の運動性能に影響します。

戦いの舞台はコンピュータプログラムによって作られることが多いですが、ジオラマを読み込ませたような描写も見られます。仮想空間にはゾイドに乗らず人間が集団で直接入り込むことも可能です。

実物大ゾイド

本作では、プラモデルのゾイドを開発する際に、トミーが無可動の実物大ゾイドを制作しているという設定があります。ウルトラザウルスやゴジュラスが登場します。

ゾイド生命体

実機編に登場するゾイドの心臓部です。体を破壊されても、この部分が無事なら何度でも蘇ることができます。しかし、制御を失うと暴走し、都市を壊滅させるほどの大爆発を起こす危険性も秘めています。

主要登場人物・ゾイド

共和国ゾイド少年隊

大和 タケル

本作の主人公。シールドライガー、ゴールドライガーに搭乗します。どんなピンチにもくじけない勇気とガッツの持ち主で、スケボーが得意です。実機編では戦いに疑問を感じ悩む一面も。

大門 アキラ

通称デーモン。読み切り版では帝国ゾイド少年隊副隊長としてデスザウラーを操縦していましたが、連載版では共和国ゾイド少年隊の一員となっています。タケルたちより年上で、チームの兄貴分的な存在です。ディバイソン、マッドサンダーに搭乗します。

熊沢 五郎

通称クマゴロー。関西弁を話す少年で、ベアファイター、マッドサンダーに搭乗します。

綾小路 秀麻呂

いわゆる「坊ちゃんキャラ」の少年。プテラス、マッドサンダーに搭乗し、得意のコンピューターを駆使して戦術分析を担当します。

森田 ひとみ

共和国ゾイド少年隊の紅一点。シミュレーター編ではゾイドには乗りませんが、女子プロレスのファンで、バックドロップが得意です。ロードスキッパー、マッドサンダーに搭乗します。

嵐山

バトルトーナメントの出場選手。ラフプレーを多用するため、一時スパイだと疑われていました。ゴジュラスに搭乗します。

帝国ゾイド少年隊

天竜 修羅

帝国ゾイド少年隊隊長。サングラスとマント姿が特徴です。当初は卑劣な作戦を指示していましたが、タケルのフェアプレーに感化され、正々堂々と戦うようになります。デスザウラーに搭乗。

金剛力・士郎

読み切り版に登場した魔道衆の一員。アイアンコングに搭乗します。

鮫島 リョウ

共和国側ゾイドを盗み出した隊員。アイアンコング戦車バージョンに搭乗します。

青竜鬼

少年空手のチャンピオンで、魔道衆の一人。ブルーザウラーに搭乗します。

紅竜鬼

魔道衆の紅一点。本名は紅子。レッドザウラーに搭乗します。

白竜鬼

魔道衆の一人。陰険な性格で、グレートサーベルに搭乗します。

村雨 ケン太

表向きは共和国ゾイド少年隊に所属するスパイ。ブラックライガーに搭乗します。

その他の人物

森田技師

ひとみの兄で、トミー共和国ゾイド開発部の部員。共和国ゾイド少年隊のアドバイザー。

森田博士

ひとみと森田技師の祖父で、森田メカ生体研究所所長。実機のゾイドを開発した人物。

早乙女 源三

メカの操縦にかけては天才的なライダー風の青年。ゴジュラスに乗り込み暴走します。

ギルバート大佐

超最新兵器を開発し、戦争国へ売りさばく死の商人。デッド・ボーダーに搭乗します。

カン太

ゾイド好きの仲間とゾイド倶楽部を設立した少年。ウルトラザウルスを製作します。

涼子先生

あけぼの学園の教師で、ゾイド倶楽部の顧問。

コミックス

第1巻(ISBN 4-09-141401-X) 1989年5月発行
* 第2巻(ISBN 4-09-141402-8) 1989年7月発行

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