独立ギリシャ人

独立ギリシャ人（ANEL）は、2012年にパノス・カンメノスによって結成されたギリシャの保守政党です。カンメノスは元々新民主主義党（ND）に所属していましたが、パパデモス内閣への信任に反対したため除名され、ANELを結成しました。その後、NDからの離党者を集め、ギリシャ議会で独自の会派を形成しました。

ANELは、緊縮財政や歳出カットに強く反対する立場を取りました。ギリシャ経済危機やユーロ危機においては、ギリシャと欧州連合（EU）や国際通貨基金（IMF）との債務に関する協定に反対するなど、ポピュリズム的な姿勢を鮮明にしました。また、欧州懐疑主義的な傾向も持ち合わせていました。カンメノス自身がNDの右派であったことから、ギリシャの国家主権を強く主張し、国民保守主義的な側面も有していました。

結党直後の2012年5月の総選挙では33議席を獲得し、目覚ましい躍進を遂げました。しかし、連立政権の交渉において非妥協的な姿勢を崩さず、政局の混乱と再度の総選挙を招く一因となりました。再選挙では議席数を20議席に減らし、野党に留まりました。2015年1月の総選挙では、議席数を13に減らしましたが、緊縮財政反対を掲げる急進左派連合との連立政権に参加し、カンメノスが国防相に指名されました。

しかし、2019年1月13日、マケドニア（現北マケドニア）の国名変更に関する両国間の合意への反対を理由に、連立政権から離脱しました。その後の2019年ギリシャ議会総選挙では、議席をすべて失い、国政における影響力を失いました。

ANELは、その短い活動期間において、ギリシャの政治に大きな影響を与えた政党の一つと言えるでしょう。緊縮財政反対という明確な主張と、保守主義的な価値観を掲げ、一定の支持を集めましたが、最終的には議席を失い、消滅しました。

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