狭野神社

狭野神社の概要

狭野神社（さのじんじゃ）は、宮崎県西諸県郡高原町に鎮座する神社です。かつては県社でしたが、後に官幣大社宮崎神宮の別宮となりました。現在は独立した神社として、神社本庁の別表神社に名を連ねています。また、霧島六所権現の一社としても知られています。

祭神

主祭神は神日本磐余彦天皇、すなわち神武天皇です。配祀神として、吾平津媛命、天津彦火瓊瓊杵尊、木花開耶姫命、彦火々出見尊、豊玉姫尊、鸕鶿草葺不合尊、玉依姫命が祀られています。社名は、神武天皇の幼名である「狭野尊」に由来しています。

歴史

狭野神社の創建は、孝昭天皇の時代にまで遡ると伝えられています。神武天皇が誕生した地とされる高千穂峰の麓、皇子原に創建されたとされています。また、古くは霧島山上に鎮座していたという説もあり、霧島山の噴火による災いを避けるために、この地へ遷座したとも言われています。その後も、霧島山の噴火によって社殿が焼失し、数度の遷座を繰り返しましたが、慶長15年（1610年）に現在地に落ち着きました。

創建当時、神社が鎮座していたとされる元宮の地には、現在、境外末社の皇子原神社が鎮座しています。この地は、神武天皇生誕の地とされ、神社の背後にある「産婆石」付近で誕生したと伝えられています。皇子原神社が鎮座する場所は、皇子原古墳群でもあり、6基の古墳が存在します。これらの古墳は、5世紀後半から6世紀前半にかけて造られた、西諸県地方特有の地下式横穴墓と考えられています。

この地は、伝承によれば神武天皇（狭野尊）が幼少期を過ごされた場所であり、皇子原、皇子滝、皇子川原、血捨ノ木、狭野渡、御池の皇子港といった地名が残されています。

1873年には県社に列格しましたが、1915年には官幣大社宮崎神宮の別宮に指定されました。1898年からは、高木兼寛によって宮崎神宮の大造営と同時に、狭野神社の社殿の改修も行われました。第二次世界大戦後、再び独立した神社となり、1976年に神社本庁の別表神社に列格しました。

祭事

狭野神社では、以下の祭事が執り行われています。

祈年祭
特殊神事「苗代田祭」（2月18日）
御田植祭（5月16日）
例祭（10月23日）
新嘗祭（11月23日）
狭野神楽（12月第1土曜日、元は旧暦10月16日） - 「高原の神舞」として国の重要無形民俗文化財に指定

参考文献

白井永二・土岐昌訓編『新装普及版 神社辞典』東京堂出版、1997年
『宮崎県神社誌』宮崎県神社庁、1988年

外部リンク

* 狭野神社（狭野神社公式）

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