猪熊純子

猪熊 純子（いのくま じゅんこ）

日本の地方公務員。1958年に生まれ、神奈川県で育ちました。神奈川県立横浜翠嵐高等学校を経て、1981年に一橋大学法学部を卒業。社会の役に立つ仕事がしたいという強い思いから、当時の一橋大卒業生の進路としては珍しかった東京都庁への入庁を選択しました。

東京都庁では様々な部署を経験します。学術休職制度を利用して留学し、1992年にはハーバード大学ケネディ・スクール修士課程を修了、公共経営修士（MPA）の学位を取得しました。

帰国後、墨田区厚生部高齢者福祉課長を務めた後、1998年からは東京都港湾局副参事として、東京臨海副都心の開発業務などにも携わりました。その後も、東京都福祉局、産業労働局、水道局などで要職を歴任。東京都立短期大学や、公立大学法人首都大学東京（現：東京都立大学）では経営企画室長を務め、大学運営にも深く関与しました。

経済産業省の社会人基礎力に関する研究会委員を兼務するなど、外部の活動にも積極的に参加しました。東京都産業労働局産業企画担当部長としては、「東京都産業振興基本戦略」の策定を主導し、公益財団法人東京都中小企業振興公社の監事も務めました。また、東京都知事本局では国際共同事業担当部長や外務部長として、C40気候変動東京会議などを担当し、都市外交の推進に貢献しました。

2011年には、東京都知事本局局務担当部長として内閣官房へ出向。地域活性化統合事務局次長として、「環境モデル都市・環境未来都市」構想の推進など、国の重要な施策に関わりました。この間、内閣府政策参与も務め、中央省庁での経験を積みました。

都庁に戻った後も、地方分権推進部長や政策企画局理事として、国政広域連携や報道総括、知事補佐といった重要な役割を担いました。監査事務局長、会計管理局長を経て、2017年には女性として22年ぶり、2人目となる東京都副知事に就任しました。小池百合子知事の下で、政策企画局、生活文化局、オリンピック・パラリンピック準備局、会計管理局、教育委員会、監査委員など幅広い分野を担当しました。

同年には、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の副会長にも就任し、大会準備に尽力しました。副知事退任後は、東京都参与、東京臨海ホールディングス代表取締役社長、東京トラフィック開発代表取締役社長などを務め、都政や関連事業への関与を続けています。

東京外国語大学経営協議会委員も務めるなど、教育分野への貢献も見られます。父は弁護士で、元公明党参議院議員の猪熊重二氏です。趣味はハイキングで、アクティブな一面も持っています。

長年にわたり、都政の中枢や国の機関で要職を歴任し、特に女性副知事として大きな注目を集めました。多岐にわたる分野での経験とリーダーシップを発揮し、東京都の発展に貢献した人物と言えます。

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