滋賀県甲賀市信楽町勅旨に位置する玉桂寺前駅は、
信楽高原鐵道信楽線沿線にある駅です。
1987年7月13日の
信楽高原鐵道の開業と同時に誕生しました。周囲は自然豊かな山々に囲まれ、
大戸川が東側を流れ、静寂な雰囲気に包まれています。駅舎や公衆トイレはなく、線内では唯一、これらの設備が整っていない駅となっています。
昭和レトロな待合所
2022年、玉桂寺前駅は大きな変貌を遂げました。
信楽高原鐵道は
クラウドファンディングを活用し、老朽化した待合所の改修を行いました。
昭和30~40年代の雰囲気を再現するため、テレビや映画のセット制作会社に依頼し、往時を彷彿とさせるラッピングが施されました。NHK
連続テレビ小説『スカーレット』の舞台となった時代をモチーフに、ノスタルジックな空間が創出されています。鉄骨柱も茶色に塗り替えられ、古い
電灯のレプリカや、架空の理髪店の看板なども設置され、細部までこだわりが感じられます。このリニューアルは、地域の活性化にも貢献しています。
利用状況と駅周辺
玉桂寺前駅は、ケーブル鉄道を除く
滋賀県内の駅の中で、最も一日平均利用客数が少ない駅の一つです。駅周辺は自然が豊かで、静けさの中に独特の趣があります。駅名の由来にもなっている玉桂寺は、吊り橋を渡ったすぐ近くに位置し、境内に立つコウヤマキは県の
天然記念物に指定されています。その他、周辺には保良の宮橋、
滋賀県立陶芸の森、第一
大戸川橋梁などの観光スポットがあります。
国道307号も駅西側に位置しますが、駅からは約600メートルの距離があります。
駅の構造と特徴
玉桂寺前駅は単式ホーム1面1線の
地上駅で、
無人駅です。ホームには信楽焼の狸の置物が2体置かれ、訪れる人を静かに迎えています。駅舎やトイレがない簡素な構造も、この駅の独特の雰囲気を醸し出しています。
アクセスと今後の展望
玉桂寺前駅は、
信楽高原鐵道の
勅旨駅と
信楽駅の中間に位置します。周辺の自然環境や歴史的建造物と相まって、ひっそりと佇むながらも、独特の風情を持つ駅です。今後、地域の観光資源と連携した発展が期待されます。
昭和レトロな雰囲気を活かした観光客向けのイベントや、周辺地域の活性化のための取り組みなどが考えられます。
まとめ
玉桂寺前駅は、利用客数は少ないものの、
昭和レトロな雰囲気の待合所や、周囲の豊かな自然環境、歴史的建造物など、多くの魅力を秘めた駅です。
無人駅でありながら、独特の個性を持ち、訪れる人に静かな感動を与えてくれます。
信楽高原鐵道沿線を訪れる際は、ぜひ一度足を運んでみてください。