玉響克己

玉響 克巳 (たまひびき かつみ)

基本情報

• - 生年月日: 1935年10月3日
• - 出身地: 大分県別府市向浜
• - 本名: 新川 克巳 → 灘 克巳
• - 最高位: 東前頭2枚目 (1959年9月・1960年7月)
• - 得意技: 右四つ、寄り、上手投げ
• - 現役時代の体格: 身長178cm、体重98kg

来歴

玉響克巳は、大分県立水産高校を中退後、同郷の力士・玉乃海の所属先である二所ノ関部屋に入門しました。相撲を始める際、捕鯨船の乗組員になることを考えていた彼の道は、意外な形で相撲界へと進むことになります。1954年1月場所で初めて土俵に上がり、その後、1954年3月場所で本名の「新川」の名義で序ノ口に進出しました。

体格的には優位に立っているとはいえないものの、彼は比較的スムーズに出世しました。1958年5月場所では十両に昇進し、この場所では11勝4敗という好成績を達成します。特に注目されたのは、千秋楽での十両優勝決定戦で、当時の強豪力士たちとの対戦。この中で優勝を逃したものの、彼を含めた7人が「7人の侍」と称され、一躍話題になりました。

1959年3月には新入幕果たし、その後も4場所連続で勝ち越しを記録しました。9月場所では、最高位となる前頭2枚目に昇進しましたが、横綱や大関相手に勝利を収めることはできず、やがて成績が悪化します。1960年9月場所以降は再び負け越しが続き、唯一の8勝7敗の成績を残した場所以外はパッとしない結果に終わりました。結局、彼は横綱や大関に一度も勝つことなく、三役への昇進も果たせなかったのです。

1961年7月場所を最後に幕内から遠ざかり、その後は十両に在籍。1962年9月場所では14枚目で4勝11敗という成績を残し、26歳という若さで相撲界を離れました。廃業後は運送会社に勤務したと伝えられています。

主な成績・記録

• - 通算成績: 289勝257敗3休 (勝率.529)
• - 幕内成績: 107勝115敗3休 (勝率.482)
• - 現役在位: 46場所
• - 幕内在位: 15場所
• - 三段目優勝: 1回 (1956年3月場所)

改名歴

1. 新川 克己 (1954年3月 - 1957年3月)
2. 玉響 克己 (1957年5月 - 1960年11月)
3. 玉響 昌延 (1961年1月 - 1961年5月)
4. 新川 克己 (1961年7月 - 1962年9月)

参考文献

• - 『戦後新入幕力士物語 第2巻』 (著者：佐竹義惇、発行元：ベースボール・マガジン社、1990年)

関連項目

• - 大相撲力士一覧
• - 大分県の高校相撲部出身者一覧

脚注

本文は玉響克巳の生涯と相撲力士としてのキャリアに焦点をあてています。

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