王匡 (河内太守)

王匡（おう きょう）: 中国後漢時代末期の武将

王匡は、中国の後漢時代末期に活躍した武将であり、彼の生涯は英雄的な戦いと忠誠心に満ちています。彼は字を公節とし、兗州泰山郡に生まれました。若い頃から、彼は財貨よりも人々への施しを重要視し、任侠の精神を持った人物として知られていました。

若き日の王匡

王匡は、青年時代から多くの人々に慕われ、特に蔡邕との親交が著名です。王匡は後に何進のもとで大将軍府掾として仕官し、軍需物資の補給等を行う後方支援を務めました。しかし、189年に何進が宦官の陰謀によって命を落とすと、王匡は職を辞し、故郷に帰って平民となりました。すぐに河内太守に任命され、その役職に就くことになります。

河内太守としての活動

王匡が河内郡の太守となった際、彼は州内の官民の罪を捜査し、疑わしい人物に対して厳しい取り調べを行いました。従わない者には金や穀物を要求し、それを拒否した者はその一族を処刑するという厳格な執行で、威厳ある統治を確立しました。これによって、彼は恐れられ、尊敬される指導者となりました。

董卓討伐に参加

190年、董卓を討つための諸侯連合が結成され、王匡もこの軍に参加しました。彼は河陽津に軍を駐屯させて董卓軍に対抗しましたが、董卓軍の巧妙な攻撃に遭遇し、大敗を喫しました。ほぼ全滅に近い損害を被った王匡は、泰山に逃げ帰り、再び軍を立て直すことを決意しました。

息子婿との対立

その後、王匡の娘婿である胡毋班が董卓側から和睦の使者として河内に派遣されましたが、王匡は彼の命を奪うことを選びました。これは、諸侯連合の指導者・袁紹の命令によるものでした。この決断によって、王匡は後に曹操と手を結んだ胡毋班の家族に復讐され、命を落とすことになりました。その正確な時期は不明ですが、彼が河内太守の地位にいる間、すなわち192年までの間に死亡したと考えられています。

三国志演義に見る王匡

王匡は小説『三国志演義』にも登場し、董卓討伐軍の一員として描かれています。物語の中では、虎牢関で先鋒を務めたものの、配下の武将方悦が呂布に敗れ、王匡自らも逃走を余儀なくされる場面が描かれています。最終的には彼の姿はその後登場しなくなりますが、彼の勇名は今も語り継がれています。

配下の武将

王匡の配下には、後に曹操配下として名を馳せる韓浩がいました。『三国志演義』では、方悦も王匡の部下として言及されています。これらの人物たちは、王匡の命令のもとで戦い、物語に彩を添えました。

王匡の生涯は、忠誠と戦士としての精神を象徴するものであり、その業績は多くの物語や記録に残されています。

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