189年

189年は、ユリウス暦における平年であり、後漢王朝の崩壊を予感させる激動の年でした。

各地の紀年法

この年、東アジアでは様々な紀年法が用いられていました。

干支: 己巳（つちのとみ）
日本: 成務天皇59年、皇紀849年
中国（後漢）: 中平6年、光熹元年、昭寧元年、永漢元年と年号が変わり、最終的に中平6年に戻されました。これは、後漢末期の混乱を象徴しています。
朝鮮:
高句麗: 故国川王11年
新羅: 伐休王6年
百済: 肖古王24年
檀紀: 2522年
仏滅紀元: 732年
ユダヤ暦: 3949年 - 3950年

189年の出来事

この年の最大の出来事は、後漢の霊帝の崩御でした。霊帝の死後、後を継いだ少帝（劉弁）は幼く、その外戚である大将軍何進と宦官（十常侍）の対立が深刻化しました。何進は宦官の排除を企てましたが、逆に宦官によって殺害されました。この混乱に乗じて、董卓が洛陽に入り実権を掌握します。

董卓は、少帝を廃して献帝（劉協）を擁立し、朝廷を完全に掌握しました。この出来事は、後漢王朝の衰退を決定づける出来事となり、三国時代の幕開けへと繋がっていきます。

誕生

3月7日 - プブリウス・セプティミウス・ゲタ：後のローマ皇帝カラカラの弟で共同皇帝（+211年）。

死去

189年には、多くの重要な人物がこの世を去りました。

霊帝：後漢第12代皇帝（+156年）。
董重：後漢の驃騎将軍。董太后（霊帝の生母）の一族。
蹇碩：霊帝側近の宦官。西園軍の上軍校尉。
何進：後漢の大将軍。何皇后の異母兄で少帝の伯父。
何苗：後漢の車騎将軍。何皇后の同母兄。
趙忠：霊帝側近の宦官。十常侍の1人。
張譲：霊帝側近の宦官。十常侍の1人。
丁原：後漢の執金吾。
霊思何皇后：少帝の生母。

これらの死は、後漢王朝の混乱をさらに加速させ、群雄割拠の時代へと突入する要因となりました。

まとめ

189年は、後漢王朝の崩壊と新たな時代の幕開けを告げる、歴史的に重要な年でした。霊帝の死、外戚と宦官の対立、董卓の台頭など、数々の出来事が連鎖的に起こり、後漢王朝の衰退を決定づけました。この年の混乱は、後の三国時代へと繋がる重要な転換点となりました。また、この年に亡くなった多くの人々も歴史に名を刻んでいます。

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