王子ネピア
王子ネピア株式会社（おうじネピア）は、日本を代表する製紙会社グループである王子グループに属する、衛生用紙製品の専門メーカーです。
王子ネピアは、持株会社である王子ホールディングスを親会社とする衛生用紙に特化した企業です。主な製品には、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、キッチンペーパーといった家庭用衛生紙や、ベビー用・大人用紙おむつなどがあります。
製品の主力ブランドは「ネピア（nepia）」であり、1971年の販売開始以来、多くの消費者に親しまれています。このブランド名は、同時期に当時の王子製紙がニュージーランドに建設したパルプ工場の所在地である都市、ネーピア（Napier）に由来しています。
国内の衛生用紙市場において、生産量を基準とした市場占有率は約11%（2009年時点）を占め、大王製紙（エリエール）や日本製紙クレシア（クリネックス、スコッティ）に次ぐ第3位のポジションに位置しています。
王子ネピアは、1971年3月19日に当時の王子製紙（2代目法人、現：王子ホールディングス）の全額出資により、製品の販売を担う「王子ティシュ販売株式会社」として設立されました。当初、製品の生産は王子製紙の工場が行っていました。
1971年11月には、主力ブランド「ネピア」の販売が開始されます。その後、1987年には社名を「株式会社ネピア」に変更し、ベビー用紙おむつの市場にも参入しました。
事業拡大に伴い製品ラインナップは拡充され、1993年にはウェットティッシュ、大人用紙おむつの販売もスタートします。
組織面では、より効率的な生産・販売体制の構築が進められました。2003年4月1日には、王子製紙の家庭紙部門と、旧本州製紙系の衛生用紙メーカーであったホクシー株式会社を統合し、現在の「王子ネピア株式会社」が発足しました。これにより、生産から販売までを一貫して行う体制が確立されました。
沿革には、東京工場での火災（2005年）、ベビー用紙おむつ「ネピアGENKI!」のグッドデザイン賞受賞（2007年）、創立40周年（2011年）、東日本大震災被災地支援活動「支える人を支えよう」の発足（2011年）、環境対応への取り組み強化（2011年）、福島での社員ボランティア活動（2013年）、江戸川工場の操業開始（2020年）など、多岐にわたる出来事が記されています。
統合されたホクシー株式会社は、1918年に北海製紙として設立された歴史を持ち、会社更生法の適用を経て、最終的には本州製紙（後に王子製紙と合併）の関連会社となり、王子グループの一員となりました。
王子ネピアは、消費者の多様なニーズに応えるため、様々なブランドと製品を展開しています。
ネピア（nepia）: ティッシュペーパー、トイレットペーパー、ウェットティッシュ、キッチンペーパーなど、幅広い製品をカバーする中核ブランドです。
ネピネピ: 「ネピア」の妹分という位置づけのサブブランドで、主にティッシュペーパーやトイレットペーパーがあります。
ネピア GENKI!: ベビー用紙おむつとおしりふきのブランドです。主にパンツタイプのおむつを展開しています。
ネピア Whito（ホワイト）: もう一つのベビー用紙おむつブランドで、テープタイプとパンツタイプの両方を取り扱っています。
ネピアテンダー: 主に介護用として展開される大人用紙おむつです。
ネピア 鼻セレブ: 高品質な保湿ティッシュとして人気が高いブランドです。独自の保湿成分に加え、天然由来のスクワランなどを配合し、デリケートな鼻周りへの優しさを追求しています。
ホクシー: 旧ホクシーから引き継がれたティッシュペーパーブランドです。環境配慮を前面に出していますが、製品の種類は減少傾向にあります。
アネモネ、ブレンディア: 旧ホクシーから引き継がれた、または新規に展開されているトイレットペーパーブランドです。
なお、乳幼児用紙おむつについては、市場規模の縮小に伴い、一部製品が2024年9月末で生産終了となることが発表されています。大人用紙おむつ「ネピアテンダー」は、主に医療機関や介護施設向けの製品ですが、個人向けにはオンラインショップでの購入も可能です。
本社は東京都中央区銀座に位置しています。生産拠点は日本国内に複数あり、北海道苫小牧、愛知県春日井（名古屋工場）、徳島県阿南（徳島工場）、福島県福島（福島工場）、静岡県富士宮（富士宮工場）、東京都江戸川（江戸川工場）などに工場があります。これらの工場では、紙を抄く工程から製品への加工までを行っており、国内の需要を支えています。
また、海外にも事業を展開しており、中華人民共和国江蘇省蘇州市には子会社「王子製紙ネピア（蘇州）有限公司」を設立しています。同社は中国市場向けに衛生用紙の製造・販売を行っており、中国国内でのブランド名は「妮飘（nepia）」として展開されています。
王子ネピアは、持続可能な社会の実現に貢献するため、環境負荷の低減に積極的に取り組んでいます。FSC認証を受けた、適切に管理された森林からの木材パルプを使用した製品の開発や、植物由来のバイオマスプラスチックの採用など、環境配慮型の製品づくりを進めています。
また、東日本大震災発生時には、「支える人を支えよう」をスローガンに、被災地支援プロジェクトを立ち上げました。特に、避難所などでの衛生環境維持を目的とした「nepia 千のトイレプロジェクト」などを通じて、物資提供やボランティア活動など、継続的な支援活動を実施しました。
2024年2月、王子ネピアは公正取引委員会より下請法違反に関する勧告を受けました。これは、マスクの製造を委託していた国内の下請け業者に対し、発注の一部を取り消したにもかかわらず、下請け業者が負担した資材費や保管料などの費用を当初支払わなかった行為が、下請法で禁じられている「不当な給付内容の変更」に該当すると判断されたものです。同社は公正取引委員会の調査開始後、下請け業者に対して2600万円超の費用を支払っており、今後は同様の行為が発生しないよう、再発防止策の徹底が求められています。
王子ネピアは、長年にわたり人々の生活に欠かせない衛生用紙製品を提供し続けるとともに、時代の変化や社会の要請に応じた事業活動を展開しています。
会社概要
王子ネピアは、持株会社である王子ホールディングスを親会社とする衛生用紙に特化した企業です。主な製品には、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、キッチンペーパーといった家庭用衛生紙や、ベビー用・大人用紙おむつなどがあります。
製品の主力ブランドは「ネピア（nepia）」であり、1971年の販売開始以来、多くの消費者に親しまれています。このブランド名は、同時期に当時の王子製紙がニュージーランドに建設したパルプ工場の所在地である都市、ネーピア（Napier）に由来しています。
国内の衛生用紙市場において、生産量を基準とした市場占有率は約11%（2009年時点）を占め、大王製紙（エリエール）や日本製紙クレシア（クリネックス、スコッティ）に次ぐ第3位のポジションに位置しています。
沿革
王子ネピアは、1971年3月19日に当時の王子製紙（2代目法人、現：王子ホールディングス）の全額出資により、製品の販売を担う「王子ティシュ販売株式会社」として設立されました。当初、製品の生産は王子製紙の工場が行っていました。
1971年11月には、主力ブランド「ネピア」の販売が開始されます。その後、1987年には社名を「株式会社ネピア」に変更し、ベビー用紙おむつの市場にも参入しました。
事業拡大に伴い製品ラインナップは拡充され、1993年にはウェットティッシュ、大人用紙おむつの販売もスタートします。
組織面では、より効率的な生産・販売体制の構築が進められました。2003年4月1日には、王子製紙の家庭紙部門と、旧本州製紙系の衛生用紙メーカーであったホクシー株式会社を統合し、現在の「王子ネピア株式会社」が発足しました。これにより、生産から販売までを一貫して行う体制が確立されました。
沿革には、東京工場での火災（2005年）、ベビー用紙おむつ「ネピアGENKI!」のグッドデザイン賞受賞（2007年）、創立40周年（2011年）、東日本大震災被災地支援活動「支える人を支えよう」の発足（2011年）、環境対応への取り組み強化（2011年）、福島での社員ボランティア活動（2013年）、江戸川工場の操業開始（2020年）など、多岐にわたる出来事が記されています。
統合されたホクシー株式会社は、1918年に北海製紙として設立された歴史を持ち、会社更生法の適用を経て、最終的には本州製紙（後に王子製紙と合併）の関連会社となり、王子グループの一員となりました。
主要な製品ブランド
王子ネピアは、消費者の多様なニーズに応えるため、様々なブランドと製品を展開しています。
ネピア（nepia）: ティッシュペーパー、トイレットペーパー、ウェットティッシュ、キッチンペーパーなど、幅広い製品をカバーする中核ブランドです。
ネピネピ: 「ネピア」の妹分という位置づけのサブブランドで、主にティッシュペーパーやトイレットペーパーがあります。
ネピア GENKI!: ベビー用紙おむつとおしりふきのブランドです。主にパンツタイプのおむつを展開しています。
ネピア Whito（ホワイト）: もう一つのベビー用紙おむつブランドで、テープタイプとパンツタイプの両方を取り扱っています。
ネピアテンダー: 主に介護用として展開される大人用紙おむつです。
ネピア 鼻セレブ: 高品質な保湿ティッシュとして人気が高いブランドです。独自の保湿成分に加え、天然由来のスクワランなどを配合し、デリケートな鼻周りへの優しさを追求しています。
ホクシー: 旧ホクシーから引き継がれたティッシュペーパーブランドです。環境配慮を前面に出していますが、製品の種類は減少傾向にあります。
アネモネ、ブレンディア: 旧ホクシーから引き継がれた、または新規に展開されているトイレットペーパーブランドです。
なお、乳幼児用紙おむつについては、市場規模の縮小に伴い、一部製品が2024年9月末で生産終了となることが発表されています。大人用紙おむつ「ネピアテンダー」は、主に医療機関や介護施設向けの製品ですが、個人向けにはオンラインショップでの購入も可能です。
事業拠点と海外展開
本社は東京都中央区銀座に位置しています。生産拠点は日本国内に複数あり、北海道苫小牧、愛知県春日井（名古屋工場）、徳島県阿南（徳島工場）、福島県福島（福島工場）、静岡県富士宮（富士宮工場）、東京都江戸川（江戸川工場）などに工場があります。これらの工場では、紙を抄く工程から製品への加工までを行っており、国内の需要を支えています。
また、海外にも事業を展開しており、中華人民共和国江蘇省蘇州市には子会社「王子製紙ネピア（蘇州）有限公司」を設立しています。同社は中国市場向けに衛生用紙の製造・販売を行っており、中国国内でのブランド名は「妮飘（nepia）」として展開されています。
環境への取り組みと社会貢献
王子ネピアは、持続可能な社会の実現に貢献するため、環境負荷の低減に積極的に取り組んでいます。FSC認証を受けた、適切に管理された森林からの木材パルプを使用した製品の開発や、植物由来のバイオマスプラスチックの採用など、環境配慮型の製品づくりを進めています。
また、東日本大震災発生時には、「支える人を支えよう」をスローガンに、被災地支援プロジェクトを立ち上げました。特に、避難所などでの衛生環境維持を目的とした「nepia 千のトイレプロジェクト」などを通じて、物資提供やボランティア活動など、継続的な支援活動を実施しました。
不祥事
2024年2月、王子ネピアは公正取引委員会より下請法違反に関する勧告を受けました。これは、マスクの製造を委託していた国内の下請け業者に対し、発注の一部を取り消したにもかかわらず、下請け業者が負担した資材費や保管料などの費用を当初支払わなかった行為が、下請法で禁じられている「不当な給付内容の変更」に該当すると判断されたものです。同社は公正取引委員会の調査開始後、下請け業者に対して2600万円超の費用を支払っており、今後は同様の行為が発生しないよう、再発防止策の徹底が求められています。
王子ネピアは、長年にわたり人々の生活に欠かせない衛生用紙製品を提供し続けるとともに、時代の変化や社会の要請に応じた事業活動を展開しています。
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