王宗

王宗（おう そう、生年不詳 - 18年）は、前漢末期から新代にかけて生きた人物で、新の皇帝である王莽の孫にあたります。父は王宇、母は呂寛の妹という家系に生まれました。

若き日の悲劇

王宗の父である王宇と、母の兄にあたる呂寛は、王莽が権力を掌握していた元始3年（3年）に、王莽の意向に反する行動を起こします。彼らは、当時の皇帝であった平帝の母、中山太后を長安に呼び寄せようと企てましたが、この計画は失敗に終わりました。王莽はこれに対し、王宇と呂寛に自殺を命じました。当時、王宇の妻であった呂氏は妊娠しており、王莽は出産を待ってから呂氏を処刑したとされています。

王莽の時代

王宗は、当初は王会宗という名前でしたが、王莽が二字名を禁じた際に王宗と改名しました。始建国元年（9年）に王莽が皇帝に即位すると、王宇の6人の子供たちは公として封じられ、王宗は功崇公に封じられました。

皇帝への野望と失脚

天鳳5年（18年）、王宗は天子の衣服を身に着けた自画像を作成し、自身が皇帝の後継者になるという意味の文面を記した印を作成しました。さらに、合浦に流罪となっていた呂寛の一族と密かに連絡を取っていたことが発覚し、王莽の怒りを買います。王宗は取り調べを受け、その後自殺しました。

王莽は、王宗の名を元の王会宗に戻し、功崇繆伯と諡して爵位を降格しました。この一連の事件は、王莽による権力掌握の過程における粛清の一環であり、王宗は王莽の政治的な犠牲者の一人であったと言えるでしょう。

王莽伝

この記述は、（後漢）班固著（唐）顔師古注『漢書』巻99王莽伝　に詳しく記されています。

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