王珍国

王珍国について

王珍国（おう ちんこく、生年不詳 - 515年）は、南朝斉から梁にかけて活躍した政治家兼軍人であり、字は徳重と称されます。彼は沛国相県を本貫とし、数々の重要な役職を歴任しました。その経歴は、後世に多大な影響を与えたとされています。

経歴の始まり

王珍国は王広之の子として生まれ、その初任は冠軍行参軍でした。彼は虎賁中郎将や南譙郡太守を歴任し、その優れた能力で名を馳せました。特に南譙郡が飢饉に見舞われた際には、米を配給して多くの人々を救ったことで、周囲から感謝されました。この行動に対して、蕭道成は「卿は人を愛して国を治め、はなはだ吾が意に副うなり」と賞賛の言葉を贈りました。

軍事的な活躍

永明初年には桂陽郡内史に転任し、反抗者を討伐する功績を上げました。その後、建康に帰還するときには江州に立ち寄り、刺史の柳世隆令が彼の才を讃えました。武帝からは「晩代の将家の子弟で、珍国のごとくある者は少なきかな」との言葉を受け、以降も数々の役職に就きました。

彼は安成郡内史としても名を残し、越騎校尉に任命された後には冠軍長史や鍾離郡太守としての職務を果たしました。巴東建平二郡の太守に転任し、游撃将軍として国を守るために従事しましたが、父の死去に伴い職を辞しました。

北魏に対する防衛

建武4年（497年）、北魏の軍が司州を包囲する中、明帝は裴叔業を派遣し、王珍国を輔国将軍として起用しました。しかし、北魏の大軍が進軍してくると、裴叔業が恐れをなして逃げ去り、王珍国はしんがりを務めましたが、敗北を喫してしまいました。

翌年の永泰元年（498年）には会稽郡太守である王敬則の反乱を鎮圧しました。その功績により、寧朔将軍や青冀二州刺史に昇進しました。蕭衍が軍を起こすと、王珍国は軍に加わることになります。中興元年（501年）には、朱雀門を守っていたものの、王茂の軍に敗ましたが、密かに郗纂を派遣し、蕭衍に忠誠を誓いました。

政治的転機と功績

12月には、王珍国と張稷は共に計画を立て、東昏侯を暗殺することに成功しました。その後、彼は功績を称えられ、右衛将軍に任じられましたが、これを辞退。徐州刺史の地位も辞退し、国家に対する深い情を示しました。

王珍国は、右衛将軍となり、散騎常侍の位も得ました。天監初年には灄陽県侯に封じられ、この地位のまま都官尚書に任じられました。天監5年（506年）には北魏の侵攻に対して戦略を考案し、無事に北魏軍を退けることに成功しました。この功績により、使持節や征虜将軍の地位に昇進し、さらなる名声を得ました。

晩年と影響

再び召還された後は、湘州を統治し、成功を収めましたが、天監14年（515年）に亡くなりました。彼は後に車騎将軍の位を追贈され、その生涯を通じて多くの業績を残しました。子の王僧度が彼の跡を継ぎました。王珍国の功績は今でも語り継がれ、多くの人々に影響を与えています。

参考文献

• - 『梁書』巻17 列伝第11
• - 『南史』巻46 列伝第36

もう一度検索