王諶

王諶（おう じん）

王諶（423年 - 491年）は、南朝宋から斉にかけての官僚で、字は仲和、本貫は東海郡郯県です。

生涯

護軍司馬の王元閔の子として生まれましたが、若い頃は貧しく、紡績を生業としていました。大明元年（457年）、沈曇慶が徐州刺史となると、王諶は召されて徐州主簿となります。大明8年（464年）には、南朝宋の湘東王劉彧が鎮北将軍・徐州刺史となると、王諶は徐州従事・湘東王常侍・鎮北行参軍を歴任しました。前廃帝が即位し、義陽王劉昶が征北将軍・徐州刺史となると、王諶は征北行参軍となります。

永光元年（465年）、湘東王劉彧の衛軍府に仕え、学識をもって補佐しました。同年、劉彧（明帝）が即位すると、王諶は司徒参軍に任じられ、薛県県令と中書舎人を兼ねて明帝の側近として仕えます。しかし、王諶は明帝の非行をたびたび諫めたため、明帝の怒りを買い尚方に監禁されてしまいます。まもなく尚書殿中郎に任じられ、記室参軍・正員郎に転じ、中書郎を兼ねて晋平王驃騎諮議となりました。その後、湘東郡太守に任じられますが、公務の失敗により免官。再起して桂陽王驃騎府諮議参軍・中書郎となりました。

明帝は囲碁を好み、州邑に囲棋の官を置き、建安王劉休仁を囲棋州都大中正に任じました。王諶は沈勃・庾珪之・王抗らとともに小中正に任じられ、囲碁の名手を集める役割を担いました。

臨川郡内史として出向した後、召還されて尚書左丞となり、本官のまま東観祭酒を兼ね、明帝の置いた明観を総べました。黄門にうつり、正員常侍に転じ、輔国将軍・江夏王右軍長史・冠軍将軍の位を受け、給事中・廷尉卿に任じられましたが、これは受けませんでした。南朝斉の建元年間には、武陵王蕭曄が会稽郡太守となると、王諶は征虜長史行事となりました。

永明元年（483年）、豫章王太尉司馬に転じます。王諶は南朝斉の武帝と旧交があったため、信任を受け、輔国将軍・晋安王南中郎長史・淮南郡太守となりました。永明5年（487年）には黄門郎に任じられ、驍騎将軍の号を受け、太子中庶子に転じました。永明8年（490年）には、冠軍将軍・長沙王車騎長史となり、廬陵王中軍長史に転じました。西陽王蕭子明が南兗州刺史となり、長史の沈憲が辞職すると、王諶は征虜長史に任じられ、南兗州の事務を代行しました。

永明9年（491年）に死去。享年69歳でした。

伝記資料

『南斉書』巻34 列伝第15
『南史』巻49 列伝第39

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