珠玉の女

『珠玉の女』

『珠玉の女』（しゅぎょくのひと）は、読売テレビが制作し、1992年9月28日から1993年3月26日まで、平日の午前8時30分から8時55分という朝の時間帯に放送された帯ドラマです。これは同局の「朝の連続ドラマ」シリーズの第14作目に当たります。系列局である日本テレビでは、時間をずらして午前10時00分から10時25分に放送されていました。

制作背景とドラマ枠の変遷

本作は、読売テレビの朝の連続ドラマが新たに試みたサスペンス路線の第2弾として企画されました。しかし、期待された視聴率を確保することが難しく、この作品が放送を終えるのと同時に、半年間という放送期間、そしてサスペンスというジャンルから撤退することが決定されます。1993年4月以降、このドラマ枠は大きく方向転換を図り、放送期間を3ヶ月に短縮した上で、より若い視聴者層を意識したホームドラマへとシフトしていくことになります。したがって、『珠玉の女』は、読売テレビの朝ドラ枠の歴史において、サスペンス路線および半年完結シリーズの終焉、そしてその後の枠の刷新を促す重要な転換点となった作品と言えます。

制作は、読売テレビと泉放送制作が手掛けました。ただし、番組上では泉放送制作は「VSO」という名義でクレジットされていました。これは、当時、泉放送制作が日本テレビと同時刻に、テレビ朝日のクイズ番組『100万円クイズハンター』の制作にも携わっていたため、局側の配慮から別名義を使用したためとされています。

出演者とスタッフ

物語を彩るキャストには、円山明子役の佳那晃子さんを筆頭に、中条きよしさん（修司役）、川上麻衣子さん（小島由美役）といった俳優陣が名を連ねています。また、ベテラン勢として岡田茉莉子さん、小山明子さん、中村玉緒さん、長門裕之さん（松本信吉役）、犬塚弘さん（小島登役）、ミヤコ蝶々さん、大村崑さん（大西善三役）らが出演しました。その他、蜷川有紀さん、小坂一也さん（杉山透役）、小島慶四郎さん（高木支店長役）、正司照枝さん、根岸明美さん（千代役）、佐野アツ子さん（東条幸子役）、下塚誠さん（渋川竜太郎役）、石井富子さん（茂子役）、山村聡さんなど、多数の個性豊かな俳優陣が出演し、ドラマを支えました。

制作スタッフでは、企画を今岡大爾氏（よみうりテレビ）、プロデューサーを富田求氏（よみうりテレビ）、宮武昭夫氏、田尻丈人氏（VSO）が務めました。脚本は小国正皓氏、上條逸雄氏、山岡真皓氏、田代淳二氏が共同で担当し、音楽は桑原研郎氏が手掛けました。演出は真船禎氏、福田真治氏、福田誠氏が担当しています。

技術協力は東通、美術協力はアックスが担当し、撮影は緑山スタジオ・シティで行われました。

主題歌

本作の主題歌には、高山厳さんが歌う「心凍らせて」が起用されました。作詞は荒木とよひさ氏、作曲は浜圭介氏、編曲は今泉敏郎氏が手掛けたこの楽曲は、ドラマの放送をきっかけに広く知られるようになり、後にヒット曲となりました。原盤権は現在、アップフロントグループが所有しており、アップフロントワークス・ライスミュージックから発売されています。

『珠玉の女』は、朝の連続ドラマ枠の歴史における重要な変革期に位置する作品として記憶されています。

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