現代 (時代区分)

現代の歴史について

現代、また現代史は、1945年の第二次世界大戦終結以降の世界の歴史を指し、特に冷戦とその後の様々な国際的な変化を反映しています。これは単なる「現在の時代」とは異なり、冷戦体制の形成や変革を含んだ歴史的な枠組みを含んでいます。一般的には、「先史」「古代」「中世」「近世」「近代」に続く最後の時代区分として、現在も進行中の歴史的事件や変化を扱います。

冷戦時代の始まり

1945年8月、第二次世界大戦が終結し、既存の植民地体制や多極体制は崩壊しました。この状況を背景に、アメリカとソ連という二つの超大国による「冷戦」が始まります。この時期、世界は大きく分かれ、東西の陣営に対抗し合う冷戦構造が形成されました。
その中で、朝鮮戦争やベトナム戦争、キューバ危機など、様々な国際的な紛争が引き起こされ、それぞれが代理戦争とみなされることもありました。冷戦時代の中で1945年に設立された国際連合は、国際的な緊張の緩和を目指す重要な機関となりました。そして、1970年代まで続く冷戦下で、両国の経済力の差が拡大し、特に1989年のベルリンの壁崩壊と1991年のソビエト崩壊を経て冷戦は終結します。

冷戦後の新自由主義とグローバリズム

冷戦が終わると、アメリカ合衆国が一極体制の主導権を握り、新自由主義的なグローバリズムの時代に突入します。冷戦後のアメリカは、世界の警察官的な役割を維持し続ける一方で、1993年のソマリア内戦での失敗が国益に基づく外部介入への姿勢を変えました。また、米国の消極的態度はルワンダ虐殺を許す結果となった批判を呼びました。

この時期、欧州では冷戦による統合が進む中で、コソボ紛争においてはNATOによる軍事介入が実施されました。中東問題に対するアメリカの介入も多様化し、その一環で湾岸戦争では多国籍軍の編成が行われ、イラクに対する軍事行動が行われました。

その後、アフガニスタン侵攻やイラク戦争と続く「テロとの戦い」という新たな局面が訪れるのは必然でした。特に2001年のアメリカ同時多発テロ事件は、対テロ戦争を展開する契機となり、世界の政治的風景を大きく変貌させました。

新興国の台頭とグローバル化

2000年代からは、経済的な視点からも変化が見られました。特に中国やベトナムなどの国家資本主義が好調に成長し、アジアの国々が国際的な経済において重要な役割を果たすようになりました。他方、2008年にはアメリカ発の世界金融危機が発生し、リーマン・ショックを引き金に世界経済は大きな打撃を受けました。しかし、この危機の中でもBRICS諸国が急成長し、多極体制への道筋を示す解釈もあります。

また、この時期にはアラブの春が起こり、国際社会は中東地域における大規模な変革を目にしましたが、シリア内戦や新しいテロ組織の誕生などの混乱も伴いました。

グローバリゼーションと情報の時代

21世紀に入ると、インターネットの普及など情報技術が革命的な影響を与え、現代の社会に新たな影響を与えています。情報の瞬時の伝播が可能になった現代では、冷戦下では考えられなかった新しい文化や社会的な動きが生まれました。しかし、同時に、COVID-19のパンデミックや政治的分断を引き起こしている偽情報の問題も浮上し、これが新たな課題となっています。

さらに、環境問題への意識が高まり、国際的な取り組みが強化される一方、その実行には多数の課題も抱えています。

このように、現代は過去の歴史と違い、様々な国際的な問題や社会的動向が絡み合う複雑さを内包しています。

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