琉球の摂政

琉球王国の摂政について

琉球王国には、摂政（しっしーまたはせっせい）という特別な官職が存在しました。この職は、琉球王国の王府内における重要な役割を担い、国の政治を運営する「聴邦政」の任務がありました。摂政は、他の役職、たとえば国相や王相、さらには諸司代とも称され、天皇の摂政とは異なり、琉球の三司官の上に位置する最高位の官職でした。

歴史的背景

摂政に関する記録は、琉球王国の義本王代にさかのぼります。この時代、英祖が初めて摂政に任命されたとされています。その後の第一尚氏王統においては、程復や王茂、懐機といった中国出身の人物もこの職に就くことがありました。特に、第二尚氏王統が形成されると、6代尚永王の時代までは摂政の任官の記録がほとんど見られませんが、7代尚寧王の代に入り、具志頭王子や菊隠、さらには佐敷王子が摂政に任命されるようになります。

その後、金武王子朝貞の時代からは摂政の制度が常設化されることとなり、王朝の政治体制に欠かせない存在となりました。ただし、その実務は三司官が中心となって行っていたため、摂政の役割は次第に形式的なものになっていったと考えられています。しかし、中には向象賢や羽地按司朝秀のように、積極的に政治に関わり、実行力のある改革を推進した摂政も存在しました。

摂政に就任する者は、基本的に王族であり、特に王子や按司位を持つ者が選ばれることが通例でした。摂政に就任すると、これらの者の位階も昇進し、王子位に昇格することが通常でした。このように、琉球王国の摂政は、単なる官職の一つではなく、国家の運営や政策に大きく関わる重要な役割を果たしていたのです。

脚注および参考文献

• - 外間守善「琉球国由来記」角川書店、1997年

関連項目

• - 琉球の摂政一覧
• - 琉球王国

古代から続く琉球王国の政治体制の中で、摂政の役割を理解することは、国の歴史を学ぶ上でとても重要です。摂政たちの働きやその影響を知ることで、琉球王国の政治的なダイナミズムをより深く理解することができるでしょう。

もう一度検索