琉球海溝

琉球海溝について

琉球海溝は、南西諸島の東側に位置する、フィリピン海プレートの西端に沿って存在する海溝です。別名、南西諸島海溝とも呼ばれています。この場所では、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込んでおり、その最深部は沖縄島の南東沖で7,507mに達します。

琉球海溝は、奄美大島と宮古島の東方の海底にある高まりによって、大きく三つの部分に分けられます。このうち、中央部の海溝地形が最も顕著です。

また、駿河湾の湾口から九州東方にかけて、琉球海溝の北東端に繋がる海溝状の地形が見られます。しかし、これは海溝よりも浅いトラフであり、南海トラフと呼ばれています。

巨大地震の発生

琉球海溝周辺では、歴史的に巨大地震が発生しています。この地域の歴史は浅く、記録が少ないため、詳しいことはわかっていません。しかし、過去の記録には、八重山[[地震]]のような大津波を伴う地震も含まれています。この地震は、石垣島の南東沖約40kmを震源としています。

20世紀以降では、喜界島[[地震]]（Mw8.1）のような大きな地震も発生しています。また、近年では、数千年に一度の頻度で、マグニチュード9クラスの超巨大地震が発生する可能性も指摘されています。

海底地殻変動の観測によると、沖縄本島から北西方向へ年間7cmの速さで海底が移動しています。このことから、プレートの固着域（アスペリティ）は幅30～50km程度と推測されています。固体地球惑星物理学の中村衛氏は、この固着域がプレート間のカップリング領域を形成していると主張しています。さらに、この地震は南海トラフの地震と連動する可能性も指摘されています。

東日本大震災後、沖縄県が独自に行った地震被害想定調査では、琉球海溝で最大規模となる３連動型地震（沖縄本島南東沖地震３連動）が発生した場合、マグニチュード9クラスに達すると予測されています。2018年には、琉球大学や名古屋大学などの研究チームが沖縄本島南東沖の琉球海溝沿いの海底を調査した結果、少なくとも長さ130km、幅20～30kmに及ぶプレートの固着域があることが明らかになりました。これらのことから、琉球海溝沿いの地域（沖縄を含む南西諸島）では、南海トラフ沿いの地域と同様に、巨大地震や津波が繰り返し発生する可能性があると指摘されています。

琉球海溝の生物相

琉球海溝では、シロウリガイ類が確認されています。この海域は、生物多様性の観点から非常に重要度の高い海域に指定されています。また、琉球海溝の北部については、機械的な解析により独立した海域として抽出されるため、「琉球海溝北部」として生物多様性の観点から重要度の高い海域に別途指定されています。

関連情報

南西諸島近海地震：琉球海溝、沖縄トラフを含む南西諸島周辺の地震に関する情報です。
沖縄トラフ：南西諸島の反対側、東シナ海にあるトラフです。
南海トラフ：琉球海溝の北に続くトラフです。
マニラ[[海溝]]：台湾南西側からフィリピン北部西側の南シナ海にある海溝です。

外部リンク

島の暮し-大東諸島移動説
南西諸島のプレート配置図と地震活動
* 沖縄でも大地震恐れ 琉球海溝に「断層すべり」（琉球新報2009年10月9日付け）

もう一度検索