琴平駅 (北海道)

琴平駅：宗谷本線沿いの小さな駅の歴史

北海道中川郡中川町字琴平にあった琴平駅は、北海道旅客鉄道（JR北海道）宗谷本線沿いに位置する、かつて存在した駅です。短い歴史の中で、仮乗降場から駅へと昇格し、その後廃止に至るまでの道のりをたどります。

歴史：仮乗降場から駅へ、そして廃止へ

琴平駅は1955年（昭和30年）12月2日、日本国有鉄道佐久駅と天塩中川駅間に琴平仮乗降場として開業しました。その後、1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化に伴い、北海道旅客鉄道に継承され、同時に駅に昇格しています。しかし、利用客の減少により、1990年（平成2年）9月1日には廃止の道を辿りました。廃止直前には、わずか3往復の普通列車しか停車していませんでした。

駅名の由来：アイヌ語地名と金毘羅神信仰

琴平という駅名は、地名の琴平川に由来しています。琴平川のアイヌ語名は「アイオマナイ（ai-oma-nay）」で、「イラクサのある川」という意味です。現在の地名となったのは1940年（昭和15年）12月4日の字名改正によるもので、それ以前は「アユマナイ」と呼ばれていました。

アユマナイという名称は、天塩川の舟運に頼り、洪水に悩まされながら生活していた入植者たちが、航運の守り神である金毘羅神を祀っていたことに由来すると言われています。明治末期頃には、金刀比羅宮から分社した琴平神社が当地に祀られていた記録が残っています。入植者の多くは富山県出身者でしたが、四国出身者もいたとされています。


利用状況：学生の利用が中心、道路整備による減少

1975年（昭和50年）発行の『中川町史』によると、琴平駅の利用者は主に学生であったと記されています。しかし、道路の整備が進み、自動車が普及するにつれて、利用客は減少していきました。これは、自動車の利便性向上によって、鉄道を利用する必要性が薄れていったことを示唆しています。

駅周辺：国道40号音威子府バイパスの建設

現在、琴平駅跡周辺では国道40号音威子府バイパスの工事が進められています。かつて駅が存在した面影は、バイパスの建設によって、徐々に失われつつあると言えるでしょう。

隣の駅

琴平駅の上下両隣に位置する駅は以下の通りです。

北海道旅客鉄道宗谷本線
佐久駅
* 天塩中川駅


琴平駅は、短いながらも地域住民の生活に密着した歴史を持つ駅でした。その歴史と、周辺の開発状況を知ることで、地域の変遷を垣間見ることができるでしょう。現在では駅舎は残っておらず、その存在を知るものは少なくなっているかもしれません。しかし、かつてこの地に存在した琴平駅の歴史は、地域の記憶として大切に受け継がれていくべきでしょう。

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