瓦林正頼

瓦林正頼（かわらばやし まさより）は、室町時代後期から戦国時代にかけての武将で、瓦林政頼、河原林とも記されます。細川氏の家臣であり、瓦林城の城主を務め、対馬守の称号を持っていました。弟には吹田又五郎、瓦林四郎次郎がおり、子には六郎四郎春綱がいます。

瓦林氏と細川氏

瓦林氏は摂津国武庫郡付近を拠点とする国人であり、摂津国の守護であった細川氏に仕えていました。永正5年（1508年）には、摂津国守護となった細川高国に従い、各地を転戦します。しかし、瓦林氏の中にも、灘を拠点とする瓦林出雲守のように細川澄元に従い四国へ逃れる者や、瓦林足高のように一貫して澄元派として行動する者もいました。

鷹尾城築城と芦屋河原の合戦

永正8年（1511年）、正頼は高国の命により鷹尾城を築城しますが、赤松義村に攻められ、伊丹城へ退却を余儀なくされます。これが芦屋河原の合戦です。

越水城を拠点に活躍

永正13年（1516年）、正頼は自らの拠点として越水城を築き、再び鷹尾城を奪還します。その後も、細川高国と細川澄元との間で繰り広げられた戦いにおいて、高国方として数々の武功を立てました。

田中城の戦いと武庫川合戦

永正16年（1519年）10月、細川澄元方の池田三郎五郎が守る有馬郡田中城を攻めますが、敗北を喫します。その後、阿波国から侵攻してきた澄元に越水城を包囲されます。細川高国が救援に駆けつけますが、決着がつかず、膠着状態に陥りました（武庫川合戦）。

悲劇的な最期

永正17年（1520年）2月3日の夜半、越水城はついに落城し、高国は近江国へと逃れます。同年11月14日、正頼は高国から謀反の疑いをかけられ、自害を命じられるという悲劇的な最期を迎えました。

瓦林正頼は、激動の時代を生き抜いた武将であり、その生涯は戦乱に翻弄されながらも、主君のために忠義を尽くした姿を今に伝えています。

参考文献
武藤誠; 有坂隆道 編『西宮あれこれ—その自然と歴史を語る—』西宮市役所、1979年10月1日

関連文献
近藤瓶城 編「別記第百十五 瓦林政頼記」『史籍集覧』 第十三冊《別記類 第二》、近藤圭造 編集・校訂（改定）、近藤出版部、1906年9月15日。

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