生田裔神八社

生田裔神八社：神戸の守護神とされる八つの神社

神戸市生田神社周辺には、生田裔神八社と呼ばれる8つの神社が点在しています。近年では「港神戸守護神厄除八社」とも呼ばれ、8つの神社を順に参拝する「八宮巡り」が、厄除けとして信仰されています。

八社の配置と伝説

現在の八社の配置は、創建当初とは異なっていると考えられています。しかし、北斗七星を模した配置ではないかという説があります。北斗七星の6番目の星は実際には2つあり、合計8つになることから、この説が提唱されています。また、生田神社が北斗七星のひしゃくの中心に位置するという解釈も存在します。

興味深いのは、生田神社の遷座伝説です。刀祢七太夫という人物が、新神戸駅の北側にある砂山（いさごやま）から水害を逃れるため、生田神社を現在の鎮座地まで運んだという言い伝えが残っています。この砂山（別名布引山）は、現在も存在しており、この伝説自体が北斗七星を示唆している可能性も指摘されています。

祭神と特徴

生田裔神八社の祭神は、日本神話における天照大神と素戔嗚尊の誓約から生まれた三女神五男神とされています。しかし、七宮神社だけは異なる祭神を祀っており、活津日子根命を祀っている神社は八社の中では存在しません。

各社の祭神と特徴を以下に簡単にまとめます。なお、2月3日は八社共通の縁日となっています。

一宮神社

所在地：兵庫県神戸市中央区山本通1丁目
祭神：田心姫命

二宮神社

所在地：神戸市中央区二宮町3丁目
祭神：天忍穂耳尊・応神天皇

三宮神社

所在地：神戸市中央区三宮町2丁目
祭神：湍津姫命
幕末の神戸事件の発生地であり、境内に記念碑が建立されています。

四宮神社

所在地：神戸市中央区中山手通5丁目
祭神：市杵島姫命

五宮神社

所在地：神戸市兵庫区五宮町
祭神：天穂日命
明治時代に湊川神社の氏子社になりかけましたが、生田神社社家の子孫の家が近隣にあったため、住民の申し出により取り止めとなりました。現在地は、元々は宇治川の氾濫原にあったと推測されています。

六宮神社

所在地：神戸市中央区楠町3丁目（八宮神社境内。明治初期に道路拡張のため合祀）
祭神：天津彦根命・応神天皇

七宮神社

所在地：神戸市兵庫区七宮町2丁目
祭神：大己貴尊・天児屋根命
生田神社とは関係がなく、長田神社の末社とされる説もあります。元々は会下山南麓に鎮座し、北風家が祀っていたと伝えられています。

八宮神社

所在地：神戸市中央区楠町3丁目
* 祭神：熊野杼樟日命・素戔嗚尊

まとめ

生田裔神八社は、歴史と伝説に彩られた8つの神社です。それぞれの神社が持つ独自の物語や、全体としての配置が持つ神秘性など、魅力的な要素が多く含まれています。神戸を訪れた際には、ぜひこれらの神社を訪れ、その歴史と神々を感じてみてください。 それぞれの神社の詳しい歴史や祭神については、個別に調査することをお勧めします。

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