生目古墳群

生目古墳群

生目古墳群（いきめこふんぐん）は、宮崎県宮崎市跡江地区に位置する古墳群で、国の史跡に指定されています。宮崎平野を流れる大淀川の右岸、標高約25メートルの台地上に広がり、古墳時代前期から中期にかけての古墳が集中しています。この古墳群は、3世紀後半から4世紀前半頃に造られ始めたと考えられ、前期の古墳群としては九州地方で最大規模を誇ります。

概要

1943年（昭和18年）には、前方後円墳7基と円墳36基の合計43基が国の史跡に指定されました。その後の調査によって、古墳の総数は51基、地下式横穴墓36基、土坑墓49基、円形周溝墓3基が確認されています。当初指定された古墳の中には、古墳ではないと判明したものも含まれています。

主な古墳

1号墳

全長136メートル、高さ17メートルの前方後円墳で、生目古墳群の中で最も古いと考えられています。この古墳は、畿内にある箸墓古墳の約2分の1の相似形であると言われており、その関係性が注目されています。ただし、調査は遅れており、現在見学は困難な状況です。

3号墳

全長143メートル、高さ12.7メートルの前方後円墳で、古墳群の中で最大規模を誇ります。九州地方全体で見ても、西都原古墳群の女狭穂塚古墳、男狭穂塚古墳に次いで3番目の大きさを誇ります。前方部から頂上まで歩いて登ることが可能です。

5号墳

全長57メートル、高さ4.4メートルの前方後円墳です。葺石が施され、特異な形状をした円筒埴輪が出土しています。公園整備の際に葺石が復元され、公開されています。復元に際しては、実際の葺石の上に表土を重ね、その上に敷き詰めるという手法が用いられ、配置を決めるために何度も実験が行われました。

7号墳

全長46メートル、高さ3.9メートルの前方後円墳で、5世紀後半に築造されたものです。造り出しを持ち、多くの土器が出土しています。特に、特殊な形式の須恵器は祭祀専用に作られたと考えられています。

地下式横穴墓

九州地方南部に特徴的な地下式横穴墓も、生目古墳群で確認されています。特に7号墳からは、古墳内部に深く掘られた地下式横穴墓が発見されています。

生目古墳群史跡公園

史跡指定後、しばらく調査が進んでいませんでしたが、1990年代後半から発掘調査と史跡の追加指定が行われました。2008年（平成20年）4月1日には、史跡公園として開園し、一般公開されています。公園内には、前方後円墳8基、円墳25基、地下式横穴墓のほか、駐車場、トイレ、展望台、あずまやなどの施設が整備されています。

開園時間:
5月1日 - 9月30日: 8:30-19:00
10月1日 - 4月30日: 8:30-18:00

休園日: なし

料金: 無料

生目の杜遊古館

生目古墳群に隣接する形で、宮崎市の埋蔵文化財センターとガイダンス施設として2009年（平成21年）4月25日に開館しました。正式名称は「宮崎市生目の杜遊古館（埋蔵文化財センター）」です。埋蔵文化財の調査・研究、整理・保存、出土品の公開を行っており、研修室、体験学習施設、宿泊施設、炊飯施設も併設しています。入館と展示室は無料です。

開館時間: 9:00-16:30（入館は16:00まで）

休館日: 毎週月曜（祝日の場合は翌日）、祝日の翌日（土日の場合は開館）、12/29-1/3

料金: 無料

生目古墳群は、古代の歴史や文化に触れることができる貴重な場所です。史跡公園や遊古館を訪れることで、より深く古代に思いを馳せることができるでしょう。

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