生野奉行

生野奉行とは：銀山管理から明治維新への変遷

生野奉行は、戦国時代から江戸時代にかけて、生野銀山（現在の兵庫県朝来市生野町）を管理するために設置された役職です。織田信長、豊臣秀吉、江戸幕府という時の権力者によってその重要性が認められ、銀山の運営を担ってきました。

生野奉行の成立と変遷

慶長3年（1598年）には、間宮直元が初代生野奉行に任命されています。しかし、1716年（享保元年）になると、生野銀山の産出量減少を理由に、生野奉行は生野代官へと組織変更されました。

奉行所・代官所は、現在の朝来市生野町口銀谷の生野小学校付近に置かれ、銀山の運営を取り仕切っていました。

江戸時代の生野奉行と代官

江戸時代には、11代の生野奉行が任命され、代官に組織変更された後は28人の代官が務めました。代官には旗本が任命され、生野銀山の後背地となっていた但馬国、播磨国、美作国の天領も統治しました。代官の統治規模は、但馬国最大の藩である出石藩よりも大きく、江戸時代初期には5万2千石、江戸時代末期には8万2千石に達していました。

生野の変と明治維新

江戸時代後期の文久3年（1863年）10月には、生野の変が勃発し、挙兵によって代官所が一時占領されるという事件が起きました。この生野の変は、天誅組の変とともに、明治維新の導火線の一つになったと評価されています。

明治維新後の支配地の変遷

明治維新後、生野代官所の支配地は、府中裁判所、久美浜県、生野県となり、その後、豊岡県、姫路県、北条県に分割・編入されました。現在は、兵庫県および岡山県の一部となっています。

生野奉行と代官の歴史は、生野銀山の隆盛と衰退、そして日本の歴史の大きな転換期である明治維新と深く関わっています。その足跡は、現在の朝来市生野町に色濃く残されています。

関連事項：
生野銀山
生野の変
* 生野県

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