田中伊三次

田中 伊三次の生涯と功績

田中伊三次（たなかいさじ、1906年1月3日 - 1987年4月11日）は、日本の著名な政治家であり、弁護士としても活躍しました。彼は衆議院議員を15期務め、正三位の位階と勲一等旭日大綬章を受勲したことでも知られています。彼の政治キャリアには衆議院副議長や法務大臣（第22・23・31代）、自治庁長官（第7・8代）などの重要な役職が含まれています。

来歴

田中は京都府京都市上京区に生まれ、兵庫県出身の家庭で二男として育ちました。立命館中学校と府立第二中学校を卒業後、彼は立命館大学に進学し、1934年に法学部を卒業しました。大学卒業後、弁護士として開業し、地元政治界でも活躍を始めました。1942年の第21回[[衆議院議員総選挙]]で初当選し、非推薦候補として勝利を収めました。

戦後、田中は公職追放されましたが、1949年には復帰し、その後15期にわたって国会議員として活動しました。彼は無所属倶楽部、民主党、自由党を経て、1955年の保守合同に参加し自由民主党の結党に寄与しました。自民党では緒方派や石井派に所属し、最終的には三木派に参加しました。

1956年、田中は石橋内閣で自治庁長官に任命され、後に岸内閣でもその地位を維持しました。1963年には衆議院副議長に就任し、1965年までその職を務めました。さらに、1966年には法務大臣に任命され、二度目の入閣を果たしました。1972年には再度法務大臣となりました。

1976年、彼はロッキード事件の調査特別委員会の委員長に就任し、重大な疑惑に対して積極的に関与しました。特に事件に関与が疑われた高官の名前を公表し、論争を呼び起こしました。さらに、1980年のハプニング解散時には、自民党からの公認を拒否し離党するなど、強い意志を示しました。1983年には第37回[[衆議院議員総選挙]]に出馬せず、政界を引退した後、彼の地盤は元大蔵官僚の伊吹文明に引き継がれました。

人物像

田中の人柄については、戦前には国家の精神を重視し、大東亜戦争においては日本的全体主義による国防の必要を説いていました。彼は趣味として乗馬や能楽、茶道、古美術鑑賞、音楽を楽しんでいました。氏は、自治庁長官就任時に役職名に対する強い不満を示し、自ら呼称を変更させるなど、直言する性格を有していました。

彼の死刑制度に対する姿勢は特に注目され、法務大臣任期中には死刑執行命令書に署名する場面があり、プレスにその様子を報道させようとしたこともありました。また、1973年の金大中拉致事件では、韓国の秘密警察の関与を示唆する発言を行い、政界に一定の影響を与えました。

家族と著作

田中伊三次は家族を持っており、妻芳子と子どもがいました。彼は著作も残しており、1946年には『新憲法の解明』を出版し、政治思想や憲法に関する論文も多数発表しました。彼の研究や思想は、日本の政治史において重要な位置を占めています。彼は1987年に81歳で亡くなりましたが、その生涯は日本政界に大きな影響を与えました。

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