石橋内閣

石橋内閣の概要

石橋内閣（いしばしないかく）は、石橋湛山が内閣総理大臣となり、1956年12月23日から1957年2月25日までの間、運営されていた内閣です。この内閣の特徴は、その短命にあります。実際、石橋内閣は在任が65日という短さであり、日本の内閣の中でも特に早くに終わりを迎えた例の一つです。

内閣の成立

1956年12月に行われた自由民主党総裁選挙で、石橋は当選し、昭和天皇から正式に任命を受けて内閣を発足させました。しかし、発足からわずか1ヶ月後に、石橋が脳梗塞で倒れ、職務を果たすことができなくなりました。このため、その後は外務大臣の岸信介が臨時代理として内閣総理大臣の職を代行することになります。

短期間での総辞職

石橋が状態が回復しない中、最終的に彼は首相を続けることを断念し、1957年2月に内閣を総辞職しました。これにより、石橋内閣はたった65日間の在任期間で終わることとなり、この期間は第1次岸田内閣、東久邇宮内閣、第3次桂内閣、羽田内閣に次いで5番目の短さです。このように、石橋内閣は日本の政治史の中でも特異な立ち位置を持っています。

演説なしの内閣

興味深い点として、石橋内閣は内閣総理大臣が国会で一度も演説や答弁を行わなかった内閣として、日本国憲法下では唯一の存在となりました。この事実は、内閣の意思決定や政策推進がいかに困難であったかを物語っています。

閣僚の人選と兼任

内閣発足時、石橋は閣僚の人選が遅れたため、臨時代理の形で全ての閣僚職を兼任することとなりました。これは彼が各大臣職を実質的に運営することを意味し、多忙な日々を強いられたことが想像されます。それでも、正式に任命された閣僚たちは、それぞれの分野で政策を進めることとなりました。

閣僚名簿

• - 内閣総理大臣: 石橋湛山
• - 法務大臣: 石橋湛山（臨時代理）／中村梅吉
• - 外務大臣: 岸信介（1957年1月より）
• - 大蔵大臣: 池田勇人
• - 文部大臣: 灘尾弘吉
• - 厚生大臣: 神田博
• - 農林大臣: 井出一太郎
• - 通商産業大臣: 水田三喜男
• - 運輸大臣: 宮沢胤勇
• - 郵政大臣: 平井太郎（1956年12月27日より）
• - 労働大臣: 松浦周太郎
• - 建設大臣: 南条徳男
• - 防衛庁長官: 岸信介

その他、さまざまな政務次官が任命され、内閣としての機能をできる限り果たそうとしました。特に、各省の政務次官はそれぞれの分野での政策推進に努力しましたが、石橋自身の状態は回復しない状況でした。

評価と影響

石橋内閣の短期間での活動は、当時の日本の政治状況や課題を反映していました。経済の高度成長期に差し掛かろうとしていた日本でしたが、内閣の不安定さが今後の政治にどのような影響を与えるのか、重要な転機となったことは間違いありません。また、短いながらも内閣発足の経緯や、その後の動きは、現代の政治においても教訓として評価されています。

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