田中利幸 (馬術選手)

田中利幸（たなか としゆき）は、1985年2月2日生まれ、福岡県福岡市出身の総合馬術選手です。中学3年生から馬術を始め、福岡第一高等学校、第一経済大学を経て、現在は奈良県天理市の乗馬クラブクレインオリンピックパークに所属しています。

競技歴としては、社会人になってから障害馬術から総合馬術に転向しました。2011年には山口国体総合馬術で優勝、同年の全日本総合馬術大会では2位入賞を果たし、その実力を示しました。

2012年にはロンドンオリンピックの総合馬術団体日本代表に選出され、個人48位、団体12位という成績を残しました。その後、2014年のアジア競技大会では団体銀メダルを獲得しています。2016年のリオデジャネイロオリンピックでは選考会で落選となりましたが、2018年の世界選手権では個人15位、団体4位と上位入賞を果たしました。

2020年の東京オリンピックでは、個人34位、団体11位という結果でした。そして、2024年パリ五輪では、大岩義明、戸本一真、北島隆三とともに総合馬術団体チームの一員として出場。第2種目のクロスカントリー終了時点では団体3位でしたが、北島選手の馬が馬体検査で失格となり、リザーブだった田中選手が代わって出場。20点の減点を受け、一時5位に後退しました。しかし、最終種目では3選手全員が減点を最小限に抑え、見事銅メダルを獲得しました。

このメダルは、日本馬術界にとって歴史的な快挙です。1932年ロサンゼルスオリンピックの障害飛越個人で西竹一選手が金メダルを獲得して以来、92年ぶり2個目のメダルであり、団体では初のメダル獲得となりました。田中選手は、長年の努力と卓越した技術で、日本の馬術界に新たな歴史を刻んだと言えるでしょう。

田中選手の活躍は、今後の日本の馬術競技の発展に大きく貢献するものと期待されます。


[外部リンク]
選手プロフィール （日本馬術連盟）

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