田中忠治

田中忠治のプロレス人生

田中忠治（たなか ただはる）は、1942年1月26日に山口県防府市で生まれた元プロレスラーです。そのリングネームは、豊登が名付けたもので、国定忠治からインスパイアを受けています。彼は力道山の影響を受けてキャリアをスタートしました。

来歴

田中は中学を卒業した1957年に上京し、力道山邸で内弟子として生活を始めました。彼はその後、豊登の付き人として常に彼と行動を共にしました。この関係は、1965年の年末に豊登が日本プロレス社長を辞任するまで続きました。田中はその後、豊登とともに東京プロレスの旗揚げに参加します。

東京プロレスが崩壊した後も、田中は豊登と共に1968年1月に国際プロレスに入団しました。彼は1969年2月にマイク・マリノを破り、IWAミッド・ヘビー級選手権の初代王者に輝きました。1970年、豊登が引退した後も国際プロレスに留まり、王座防衛を重ねましたが、1971年3月に海外遠征のため王座を返上しました。これに続いて、彼はスペイン、ドイツ、フランス、南アフリカを巡業し、1972年6月には凱旋帰国を果たします。

1973年3月5日には、山口市でホセ・クィンテロとの金網デスマッチを行い、力道山から学んだ技術を駆使して勝利しました。しかし、1975年頃からは肝臓疾患に苦しむようになり、1977年9月には「体力の限界」を理由に現役引退を決意しました。

エピソード

田中は力道山存命の時期、豊登が失踪した際にも一緒に姿を消していました。実録小説では、豊登の失踪の知らせを受けた力道山が田中の参加についても心を痛めたと記述されています。このようなエピソードが、田中のキャリアに特別な色を添えています。

彼のプロレスのキャリアは長いものの、決して派手なものでなく、プロレスマスコミからは「隠れた実力派」や「技巧派のベテラン」と称されていました。彼は同じく「隠れた実力派」とされたミツ・ヒライとともに、この称号を早くから受けていました。

引退後、国際プロレスの公式発表では、田中は故郷である防府市に戻り第二の人生を歩んでいるとされました。しかし、日プロの後輩であるグレート小鹿は、彼が後の全日本プロレスの試合を観戦に訪れたと証言しています。興味深いことに、田中は力道山OB会には参加せず、現在も彼との連絡を取った形跡がないため、2023年現在、彼の消息は不明のままとなっています。

得意技

田中の持ち技には、回転エビ固めやドロップキックが含まれています。これらの技は、彼の試合において多くのファンを魅了しました。柔軟性とテクニックを駆使した彼のスタイルは、プロレス界において印象的な存在感を放っていました。

田中忠治は、長いキャリアを通じて日本のプロレス界に大きな影響を与えた選手です。彼のストーリーは、多くの後輩レスラーたちにとっても励みとなっています。

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