田中裕二 (お笑い芸人)

田中裕二の人物像

田中裕二（たなか ゆうじ）は、1965年1月10日生まれのお笑いタレント、声優、随筆家、俳優、司会者として、多岐にわたる分野で活躍しています。お笑いコンビ「爆笑問題」のツッコミ担当であり、リーダーとしても知られています。相方は太田光であり、所属事務所はタイタンです。私生活では、タレントの山口もえと結婚しています。

生い立ちと学生時代

東京都中野区鷺宮で生まれ育ち、35歳で結婚するまで実家で暮らしていました。幼少期はプロ野球選手に憧れる一方で、ラジオDJとしても活躍することを夢見ていました。鷺宮学園幼稚園、中野区立若宮小学校、中野区立第八中学校を経て、東京都立井草高等学校に進学。高校時代は、対照的な性格の太田光とは異なり、人気者でした。高校卒業後、大学入学までの期間には、「ウーチャカ」というパーソナリティ名で自主制作のラジオ番組を制作していました。この頃からアナウンサーを目指し、文化放送の『ミスDJリクエストパレード』やTBSラジオでアルバイトをしていました。高校時代には「ミスター井草」にも選ばれるなど、学生時代からその人気が伺えます。

早稲田大学のアナウンス研究会に憧れていましたが、受験日を間違えて失敗。その後、駿台予備学校で浪人生活を送り、日本大学芸術学部演劇学科に進学。そこで太田光と出会いました。大学時代も「ウーチャカ」と呼ばれることを周囲に頼んでいましたが、「小僧」とも呼ばれていました。また、マキノ雅弘が主催する私塾にも通い、大学の先輩とアマチュアコンビ「東京ギャグポンプ」を組んで、TBSの番組に出演したこともあります。この時の芸名は「白木屋みのる」で、ボケを担当していました。

爆笑問題結成から現在まで

1988年3月に太田光と漫才コンビ「爆笑問題」を結成。コンビではリーダーを務めていますが、これは田中自身が立候補したのではなく、太田が決めたものです。

2000年、所属事務所が入居するビルの花屋で働く女性と結婚。同年には精巣癌を患い、左側の睾丸を摘出する手術を受けました。この出来事は、太田光に「片玉」と弄られるネタとなり、漫才にも取り入れられています。その後、放射線治療などを経て、5年かけて完治しました。

2009年には離婚を経験。その後、元妻が妊娠していることが報じられましたが、田中との実子ではないことが合意されていました。しかし、法律上の手続きにより、一時的に父親として戸籍に記載された後、家庭裁判所で父子関係を解消しました。

2012年には伝染性単核球症で入院。その後、扁桃腺の切除手術も行いました。2015年には、タレントの山口もえと再婚し、2017年には第一子となる女児が誕生しました。2021年には、自宅で頭痛を訴え、前大脳動脈解離によるクモ膜下出血・脳梗塞で入院しましたが、その後仕事に復帰しています。

芸風と人物

田中裕二の芸風は、ストレートなツッコミが特徴です。太田光の無軌道なボケを拾い上げ、テンポ良く対応する能力は、爆笑問題の漫才には欠かせません。また、他の芸人のアドリブにも瞬時に的確にツッコむことができます。太田光の言動にツッコミを入れるイメージが強いですが、実際は太田の才能や人柄を尊敬しており、全幅の信頼を寄せています。

身長の低さや睾丸摘出といった身体的特徴をネタにされることもありますが、それも彼の魅力の一つです。伊集院光は、太田光を「変な人」、田中裕二を「化け物」と評しており、その独特な存在感を際立たせています。また、仕事がない時代にも危機感を抱かず、草野球に明け暮れていたエピソードは、彼のマイペースな性格をよく表しています。

毒舌を吐くこともあり、ニュース解説で共演したアナウンサーを苦笑させることもあります。ただし、太田光のように言いっぱなしではなく、後日反省の弁を述べることもあります。

エッセイ集では、文章を太田光が担当し、田中裕二は紙粘土細工で挿絵を担当するなど、多才な一面も見せています。また、近年はドラマや映画にも出演するなど、俳優としても活躍しています。

コンビニエンスストアでアルバイトをしていた経験があり、優秀な勤務態度から店長に抜擢されたこともあります。視力が低く、普段はコンタクトレンズを使用していますが、時折メガネをかけてテレビ出演することもあります。

趣味と嗜好

チェッカーズ、小泉今日子、サザンオールスターズなど、多くのアーティストのファンであり、特にプロ野球の読売ジャイアンツ（巨人）ファンとして知られています。また、大の競馬ファンでもあり、東京スポーツで競馬予想コラムを連載しています。競馬での的中経験も多く、高額配当を獲得したこともあります。

猫好きとしても知られており、自身も猫を飼っています。一方で、ミミズや椎茸が大嫌いであり、食べ物の好き嫌いも多いようです。しかし、スイーツは好物です。

エピソード

高校の同級生には実業家の夏野剛がおり、田中裕二のことを「ウーパン」と呼んでいます。大学時代にはナルシストな一面もあり、複数の女性から好意を寄せられていましたが、「僕は皆のアイドルだから」と交際を断ったというエピソードも。麻雀が得意で、テレビ番組で優勝したこともあります。

ドキュメンタリー番組『情熱大陸』に出演した際は、そのあまりに平凡な内容から「平熱大陸」と揶揄されましたが、番組の視聴率は翌週の太田光編を上回りました。また、数列に遠近感や高低差を感じる共感覚を持っていることを告白しています。

相方の太田光にブチ切れて「解散だ！」と叫んだことが何度かあることが、太田光によって著書などで明かされています。しかし、田中裕二は爆笑問題のことに関しては、すべて相方とその妻に決定権があると発言しています。自身をお笑い芸人ではないと語っており、痛いのは嫌だと身構えてしまい、舞台で客を引かせてしまうことがあるそうです。

その他、安全地帯の田中裕二と同姓同名であったり、リオネル・メッシやスティーヴ・ペリーに顔が似ていると言われることもあります。

家族・親族

先祖は戦国時代の大名龍造寺隆信の家臣で、江戸時代には小郡で財を成しました。父親は鷺宮製作所のエンジニアで、環境保護運動を行っていました。母親は歯科医の娘で、爆笑問題結成前に他界しています。10歳年上の兄はデザイナー、3歳年上の姉もデザイナーです。また、母方の従姉には声優のならはしみきがいます。

出演作品

田中裕二は、数多くのテレビ番組やドラマ、映画、ラジオに出演しています。特に、声優としても多くの作品に参加しており、『モンスターズ・インク』のマイク・ワゾウスキ役は、彼の代表作の一つです。また、競馬予想のコラムや、エッセイ集の出版など、多方面で活躍しています。

田中裕二は、お笑いタレントとしての顔だけでなく、多才な才能を持つ人物であり、その人間味あふれるキャラクターは、多くの人々から愛されています。

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