田口俊平

田口俊平の生涯と業績

田口俊平（たぐち しゅんぺい）は、1818年に美濃国加茂郡黒川村（現在の岐阜県加茂郡白川町黒川）に誕生しました。彼は幕末期における砲術および測量術の技術者として知られ、日本の近代化に多大な貢献を果たした人物です。彼の父は医師である安江隆庵の三男で、幼名は安江大二郎でした。

学問の道へ

俊平は1833年、15歳の時に医学を学ぶために名古屋の柳田良平のもとで修行を始めます。1858年までの所生には様々な学問への探求が見られ、1838年には長崎で蘭学と蘭医学を学んでいる最中に、洋式練兵所にて砲術の研究へとエネルギーを注ぐようになります。これが彼の砲術家としての道を切り開くこととなります。

地元の藩からその才能を見込まれるも、父の生家である美濃国付知村の庄屋田口家に入ることになり、この際に「田口俊平」という名を名乗るようになりました。

江戸へと向かう

1847年、彼は江戸へと向かう道を選びます。途中、韮山にて江川塾で砲術を学び、後には幕府唯一の砲術師範であった下曽根金三郎の門下に入ります。1851年には関宿藩で西洋砲術の教授に招かれ、1860年には老中の久世広周により、禄百石の物頭格御使番に昇進し、幕府の西洋砲術および蘭学の師範に任じられることになります。

長崎伝習所と海外研修

俊平は1858年に幕府講武所で勤務し、その後1861年には長崎伝習所で機械学の研究に従事します。彼はこの時期、勝麟太郎や榎本武揚と活動を共にし、幕末の動乱の中で情報交換や技術の向上に努めました。

その後、安政の大獄の影響で長崎伝習所が閉鎖され、江戸へ戻り軍艦操練所に勤務、新たに咸臨丸の乗組員として参与することになります。1862年には軍艦開陽丸の建造に関わる技術者の一人に選定され、オランダへ派遣されます。ここでは測量術や西洋の砲術を学び、技術者としての能力を大いに高めることができました。

帰国後の活動と晩年

1867年、俊平は帰国後、禄三百石の旗本となり、海軍操練所の教授に就任します。しかし、同年の11月に病に倒れ、わずか50年の生涯を終えました。その後、彼の業績は評価され、1928年に正五位を追贈されました。

脚注

田口俊平の生涯は、幕末の動乱の中で日本が西洋と接触し、近代化に向けての転換点を迎える過程を映し出したものです。彼の砲術や測量術に対する情熱は、後世の技術者たちに多大な影響を与えました。

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