久世広周

久世広周

久世広周（くぜ ひろちか）は、江戸時代末期に下総国関宿藩の第7代藩主を務めた大名です。旗本・大草高好の次男として生まれましたが、関宿藩主・久世広運の養子となり家督を継ぎました。

生涯

文政13年（1830年）に久世広運の末期養子として家督を相続し、関宿藩主となりました。天保3年（1832年）には、11代将軍・徳川家斉に拝謁しています。

嘉永4年（1851年）には老中に就任し、阿部正弘らと共に外国との折衝にあたりました。しかし、安政の大獄において、井伊直弼の強硬な処罰方針にただ一人反対したため、直弼の怒りを買い、老中を罷免されました。

万延元年（1860年）に桜田門外の変で井伊直弼が暗殺された後、老中・安藤信正の推挙で再び老中に就任し、信正とともに公武合体政策を推進しました。政情不安の安定化に尽力する一方で、長州藩の長井雅楽による「航海遠略策」を支援するなど、開国政策にも関わりました。

しかし、文久2年（1862年）に安藤信正が坂下門外の変を機に老中を罷免されると、その連座責任を問われました。また、安政の大獄時に井伊直弼の暴挙を止められなかったこと、さらに公武合体政策（外交政策である航海遠略策）の失敗の責任も問われ、老中を罷免されて失脚しました。失意のうちに元治元年（1864年）に46歳で亡くなっています。

官歴

文政13年（1830年）10月：家督相続
天保4年（1833年）12月16日：従五位下隠岐守に叙位
天保8年（1838年）11月6日：大和守に転任
天保9年（1838年）8月15日：奏者番に補任
天保14年（1843年）
10月8日：寺社奉行兼帯
12月23日：出雲守に遷任
嘉永元年（1848年）
10月18日：西丸老中、大和守に還任
12月15日：従四位下に昇叙、大和守如元
嘉永2年（1849年）2月15日：侍従に遷任、大和守の兼任如元
嘉永4年（1851年）12月21日：老中
安政4年（1857年）7月4日：勝手掛兼務
安政5年（1858年）10月26日：外国御用取扱兼務、翌日、老中辞職
万延元年（1860年）
閏3月1日：老中に復職
閏3月9日：勝手入用掛兼務
4月28日：老中首座
12月1日：外国御用取扱兼務
文久2年（1862年）
5月26日：勝手掛および外国御用取扱御役御免
6月2日：老中御役御免
8月16日：1万石召し上げ、隠居
11月20日：永蟄居

系譜

実父：大草高好
養父：久世広運
正室：阿部正精の娘
子女：久世広文（長男）、久世広業（次男）、久世広充、桜井供義室

登場作品

テレビドラマ

『江戸を斬る』第3部（1977年、TBS 演：菅貫太郎）
『花の生涯』（1963年、NHK大河ドラマ　演：楠義孝）
『篤姫』（2008年、NHK大河ドラマ 演：志賀廣太郎）

関連項目

文久の改革

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